2011年に、SMAP・草彅剛さんの翻訳で出版された韓国の小説家であるイ・チョルファンさん原作の「月の街 山の街」を読んでいます。
この作品は、2000年から韓国で刊行され、シリーズ累計360万部以上という異例のベストセラーとなった物語集「ヨンタンキキル(練炭の道)から抜粋して翻訳されたものです。
人と人が繋がる喜びを綴った短編は、私の心を鷲づかみにしました。
「オルガンの音」は、見知らぬ姉弟が食堂に入ってくるところから物語が始まります。
食堂の女将さんは、姉弟のお母さんをよく知っていると言って食事を振る舞います。
最後に珠玉の言葉で締めくくられています。
「傷つけずに愛するというのは、どれほど難しいことだろう。黙って痛みを包み込むのは、どれほど美しいことだろう。」
「花売りのおばさん」は、公営墓地で花屋を営む親子の会話を中心に物語が進行します。
花屋の近くで花を売るおばあさん。実は、墓に活けられた花をこっそり持ってきて売っています。
この短編のラストの言葉を紹介します。
「私たちは、一緒に生きていく人たちに助けられているのだと。私たちの人生が消えそうになるたびに私たちを救ってくれるのは、私たち自身ではなく、ほかの人の温かい気持ちなのだと。
「雪だるまの赤ちゃん」は、養護施設「天使園」での物語。
障がいを抱えたギョンホにソフィア先生は優しく接します。
この短編もラストも考えさせます。
「愛は、与える人の心の中に、より長く残るということを・・・。」
競走が益々激化し、争いが絶えない社会に思える今日です。
人間が忘れそうになることを思い出させてくれる言葉です。
そして、争いを鎮めてくれるような穏やかな言葉が綴られています。
原作者のイ・チョルファンさんと翻訳した草彅剛さんに感謝します。
最後のページまで、しっかり綴られたメッセージを受け止めたいと思います。
韓国の文学を少しづつ勉強したいと思っています。
お勧めの本をご紹介下さい。
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