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安田淳一監督の映画「侍タイムスリッパ―」を観ました。皆さんもぜひご覧ください。

 映画「侍タイムスリッパーについて、12月2日付「農民」は次のように報じました。
 「いま全国の映画館で上映されている『侍タイムスリッパ―』という映画をご存じでしょうか。江戸時代末期、会津藩士である主人公の家老の密命を受け、長州の志士を討つべく京の山門で相対したとき、突然まばゆい閃光に包まれ意識を失い・・・気がつくと、そこは現代の京都、時代劇撮影所だった。侍に待ち受ける試練、運命やいかにー。この映画の監督で撮影・脚本・編集を手がけた安田淳一さん(57)は京都府城陽市で1・4haの田んぼを耕す米農家でもあります。映画がヒットした今だからこそ伝えたいこと、日本の農業や農民連についての思いを聞きました。◇『泣いて笑ってドキドキしてもらえる娯楽映画にしたいと思って撮りました』。安田さんは振り返ります。主人公の侍(演じるのは山口馬木也さん)を取り巻く多彩な『現代人』とのやり取りのシーンは見る者を作中没頭させます。散りばめられた笑いは、息をのむクライマックスでの緊張感を一層引き立てます。『私自身、低予算の自主製作映画でも(多くの人に楽しんでもらえる作品がつくれる)ということを証明したいと常に考えながら映画をつくっています』今年8月の初公開時、上映館はわずか1館でしたが、『面白い!』『主人公が本物の侍にしか見えない!』などなど、話題が話題を呼び、現在、全国338の映画館で上映されています(11月18日時点)。ユーキャンの『今年の新語・流行語大賞』にも『侍タイムスリッパー』がノミネートされました。また新藤兼人賞、報知新聞映画賞など日本映画界の名だたる賞にも続々とノミネート。映画のチラシには『お米も映画も丁寧につくっています』というフレーズが。そんな安田さんが2017年公開でつくった映画が前作『ごはん』です。東京で派遣社員として働く主人公ヒカリ(沙倉ゆうのさん)が父親の急死によって京都に戻って米づくりを引き継ぐという物語です。『ごはん』は安田さん自身の生い立ちに大きく影響しています。『祖父も父も米農家で、米をつくるにはすごく手間暇かかっていることを知ってほしくて(ごはん)をつくりました』22年、『侍~』撮影中の11月末、安田さんの父・豊さんが脳出血で倒れます。年が明けた23年の冬、安田さんは『自分が父の跡を継いで米をつくる』と決意します。『映画描いた(代々守られてきた大事な農地を自分の代で終わらせるわけにはいかない)という思いそのものです。父が倒れた時、3・5haの田んぼを管理していたので、自分の仕事の傍らでさすがに全てはできない、と半分以上を所有者の方々にお返ししました』そして実際に昨年、今年と米づくりを経験した安田さんは痛切な思いにかられます。『米づくりで黒字を目指すことがいかに難しいことか思い知らされました。父も晩年は人助けとして田んぼを預かっていたという現実を知り、これは本当に何とかしないといけない、主食の米が持続的に生産できないなんておかしい』という思いを強くします。しかし同時に、『赤字になると分かっていて兼業で妥協せず米づくりを続けるのは難しい』との思いから、来年の作付けを見送ろうとも考えていました。そこに来て『侍~』が異例のロングヒット。経済的なゆとりが少しでき、『これで来年以降も米づくりを続けられるとホッとしつつも、機械が壊れたら自分も引退する、と言ってムリをしてがんばる高齢農家さんたちが支えてくれている日本の農業の現状。やはりこれを知ってほしい。令和の米騒動が起こり、来年の米不足も避けられない今だからこそ(ごはん)を見ていただきたいのです!』。映画、農業への情熱が語気を強めます。安田さん自身の米づくりの経験から、最新版『ごはん』は取り直しや追加編集が多く施されているそうです。『夏の草刈りがこんなにしんどいとは思わず、そういうシーンなども追加しています。大きな声で言うことではないですが、百姓のせがれの私が侍を題材にした映画をヒットさせ米づくりを続ける・・・、これは小さな(百姓一揆)だ!と思っています。(笑い)』父・豊さんは23年5月に亡くなりました。京都農民連前会長として農民運動に長年携わった豊さん。『父ががんばって取り組んできた運動ですし、私自身がどこまで農民連会員としてやれるか分かりませんが、きっと父も喜ぶと思い、先日入会しました。(ごはん)上映会、ぜひ気軽に相談ください』◇上映会のご相談は『未来映画社』Eメールmiraieigasha2014@gmail.comまでお問合せください。」
 私は、この記事を読むまで、映画「侍タイムスリッパ―」のことを知りませんでした。昨年の新語・流行語にノミネートされたことばに、「侍タイムスリッパ―」が入っていたのは知っていましたが、意味が分からずにいました。
 年末年始の休みに入り、ワイカムシネマで「侍タイムスリッパ―」を上映していることを知り、今日、映画を観ることができました。私と同世代(少し上の方が多い)で席が半分程度埋まっていました。
 映画は、過去5年間に観た映画の中でも屈指の作品でした。
 中でも、主役の高坂新新左衛門役の山口馬木也さんの演技が最高でした。
 映画の内容は、映画の題名通り、幕末から侍が現在にタイムスリップするというものですが、山口さんの演技が侍そのものでした。随分、立ち振る舞いを研究されたとのだと思います。
映画のパンフレットに、安田監督が山口さんから作品のテーマを聞かれ「時代劇史上、最もお客さんに真剣を
使っていると錯覚してしまう殺陣をやってみたい」と答えたとあります。
 具体的には、劇場で楽しんでいただきたい訳ですが、映画の後半の真剣を使っていると思ってしまうヒリヒリとした感じが最高でした。
 斜陽になっている時代劇に、まさに真剣に対峙するスタッフの描き方も最高でした。
 今や農業も斜陽ですが、冒頭引用したインタビューにある安田監督の「主食の米が持続的に生産できないなんておかしい」との叫びに、私も農業に携わるものとしてとても励まされました。
 「お米も映画も丁寧につくっています」という安田監督の姿勢に共鳴しました。
 映画「侍タイムスリッパ―」最高でした。今月17日までワイカムシネマで上映されています。
 ぜひ、一人でも多くの方に劇場のこの映画を観ていただきたいと思います。
 安田監督、この映画に生き方を問い直されました。
 これからも真剣で丁寧な映画をつくって下さい。私も農家の一人として安田監督を応援しています。

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