憲法を活かす市民の会やまぐちの機関紙「にゅうすれたあ」に自衛隊基地の強靭化問題のレポートを依頼されました。私のレポートの要旨を紹介します。
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布施祐仁さんは、近著「従属の代償 日米軍事一体化の真実」で、「私自身、安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中で、今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」、「核戦争という『最悪のシナリオ』を回避できるかは、私たち一人ひとりの行動にかかっています。」と述べました。防衛省は、最悪のシナリオ=核戦争を想定して基地の「強靭化」を進めています。 自衛隊基地の「強靭化」計画は、日本共産党の「しんぶん赤旗」日曜版の編集部が入手した防衛省内部文書で判明しました。文書には「各種脅威に対する施設の強靭化」と題し、「武力攻撃・テロ行為等」に対抗し、「戦い方(シナリオ)にあわせ、ニーズに応じた施設を順次整備」「計画的に施設の整備(再配置・集約化等)を推進」と明記されています。 このために▽主要司令部等の地下化▽主要施設のHEMP攻撃対策▽「CBRNeに対する防護性能の付与」として施設の機能・重要度に応じた構造強化・重要度に応じた構造強化、施設再配置・集約化ーなどを行うとしています。HEMP攻撃とは高高度(地上約30~400キロ)での核爆発などで生じる電磁パルスで広範囲の電気系統を破壊するものです。CBRNeは「シーバーン」と呼ばれ、核兵器をはじめ化学、生物、放射性物質、爆発物による脅威、攻撃の総称です。核兵器をも想定した「基地強靭化」です。
防衛省は「強靭化」計画を「最適化」事業と呼び、22年12月23日時点で対象となる自衛隊基地を293カ所あげています。自民党政権は、5年間で43兆円の大軍拡の計画を立てていますが、この内、「基地強靭化」には5年間で4兆円を充てる計画です。
「基地強靭化」の対象となった山口県内の自衛隊基地は、陸上自衛隊の山口駐屯地。海上自衛隊の岩国基地、小月航空基地、下関基地隊。航空自衛隊の防府北基地、防府南基地、見島分屯基地です。 23年4月20日、参議院外交防衛委員会に、日本共産党の山添拓議員が示した、防衛省提出の「23年度予算における『基地強靭化』に関する事業内容と金額」の内、山口県内の基地に関わるものは、山口駐屯地(空調設備)約2億円、岩国基地(防災対策)約6億円、小月航空基地(防災対策)約4億円、下関基地隊(防災対策)約2億円、防府北基地(飛行場施設)約12億円、防府南基地(空調整備)約0.1億円、見島分屯基地(管路等の更新)約8億円です。
日本共産党の赤嶺政賢衆議院事務所に「基地強靭化」の現状をお聞きしました。 自衛隊施設の強靭化については、25年度末までの策定を目指し、各地区ごとのマスタープランが作成されています。
23年度予算では、県内の防府北基地、岩国基地、見島分屯基地を含め、865億円の予算で、強靭化(最適化)調査、と耐震化などが行われました。
今年度予算では、県内の下関基地隊、岩国基地、見島分屯基地、小月航空基地、防府南基地、防府北基地を含め、3233億円の予算で、強靭化(最適化)事業と耐震化工事などが行われています。
更に、自衛隊基地では32年度までに全国で弾薬庫増強130棟建設するなどの方針を示しています。予算化がされた施設は、19都府県、50カ所に及びます。 県内に関わるものとして、23年度は、見島分屯基地(建替工事)で、約2億円の工事がおこなわれました。今年度は、小月航空基地(土堤の改修)で、約2億7千万円の工事が行われています。
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