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あくまでも調査を受け入れただけとする上関町長が、アンケートに中間貯蔵「賛成」と答える

 昨日の中国新聞は、中間貯蔵施設に対する県内19自治体首長アンケートの結果が公表され、次のように報じていました。
 「中国電力が原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設を山口県上関町で検討していることを巡り、山口県内の全19市町のトップに賛否を尋ねたところ、『どちらでもない』『分からない』が9割を占め、『賛成』が上関町だけだったことが21日、中国新聞の調べで分かった。岩国市は『どちらかというと反対』と答えた。8月に突如浮上した計画に対して、周辺自治体を中心に、情報不足などから賛否のスタンスを明確にしていくトップの苦悩がにじむ。調査は今月初旬から中旬、19市町の首長を対象に実施。調査自体に無回答だった下関市を除く18市町から回答を得た。回答者のうち、『賛成』は上関町で、理由(選択式、複数回答)は『自治体の財政が安定する』『施設の安全性が一定に担保されている』『経済波及効果がある』とした。『どちらかというと反対』は岩国市のみで『農林水産業や観光、移住への影響を懸念』『電力会社の説明が不足』『国の説明が不足』を理由に選んだ。『どちらかと言うと賛成』『反対』とした市町はなかった。16市町(約89%)は『どちらでもない』『分からない』と賛否を明確にしなかった。『情報量が少ない』『国や電力会社から説明がなく判断しかねる』などの声があった。建設計画を巡る意思決定の在り方について選択式で尋ねたところ、『周辺自治体の意見を反映させるべき』が6市町(約33%)、『山口県も意思決定に加わるべき』が1市(約6%)。『その他』を選んだ市町は、計画が調査段階にあることなどを理由に『具体的に答える状況にない』などとした。中電は8月、中間貯蔵施設の建設を関西電力とともに検討し、上関町で調査に乗り出すと表明。同町は国の交付金による財政安定などを理由に調査受入れを決めた。中電が調査で『適地』と判断した場合、同町はあらためて建設を進めるかどうかを決める方針だ。」
 中間貯蔵施設「賛成」は上関町だけというのは、驚きでした。
 注目すべきは、「どちらかというと反対」とした岩国市の理由です。
 「農林水産業や観光、移住への影響を懸念」これを岩国市長は反対の理由にあげました。
 一方、上関町長は、賛成の理由に「経済波及効果がある」としたことです。
 上関町でも、私が訪ねた青森県六ケ所村でもむつ市でも人口が減少しています。
 これまで原発施設に関する交付金を交付されても、人口減少に歯止めがかからなかった原発に依存してきた自治体が、これからも原発の交付金に頼る方向しか選択できないのは残念です。
 対馬市長は、岩国市長同様に、原発施設による交付金よりも「農林水産業や観光」などへの影響を考慮して原発施設誘致を拒否したのです。
 昨日、上関町で、脱原発デー県民集会が行われ、講師の「はんげんぱつ新聞編集長」である末田一秀さんが、むつ市の中間貯蔵施設であるリサイクル燃料貯蔵(株)の従業員は88人と言われていました。

 私は、この集会に参加し、デモ行進にも参加しました。

 昨日、上関町で行われた脱原発デー山口県民集会のデモ行進の様子 出発前に撮影しました。右端が私

 原発に頼らない地方自治を選択する方が、持続可能性が維持されると思います。
 また、末田さんは、2000㌧Uの中間貯蔵施設規模では、「広島原爆の6~8万発分の死の灰」が貯蔵されることになると話しました。
 上関町長は、「施設の安全性が一定に担保されている」と賛成理由を述べましたが、ならば、福井県や青森県知事が、繰り返し、当県を使用済み核燃料の最終処分地にすることがないようにと言うのでしょうか。やはり危険性が排除できないからです。
 六ケ所サイクル施設を見学しました。近くに、米軍三沢基地があることから、施設を分厚いコンクリートで覆っているとの説明がありました。
 上関町の近くにも米軍岩国基地があります。万が一の危険は、十分に考えて原発施設を誘致すべきかどうか考えるべきです。
 上関町長は、8月の臨時議会の際に、あくまでも調査を受け入れた段階で、施設の賛否を述べたのではないという趣旨の発言をしています。
 にも関わらず、中国新聞のアンケートに「賛成」としたことに対する上関町長の説明をお聞きしたいと思います。
 産業・観光振興にはむしろ逆行し、重大な危険性がある、使用済み核燃料の中間貯蔵施設は山口県上関町に誘致すべきではありません。

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