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中間貯蔵施設に反対求める請願5件は、自公など40名の議員の反対で不採択となる

  昨日、県議会は閉会しました。

 昨日の本会議で、中間貯蔵施設に反対を求める5件の請願の採択が行われました。

 この請願に不採択とした産業観光委員長報告に反対し、採択すべきとしたのは、共産党の3名、社民党・市民連合の中嶋議員、草の根の井原議員、新政クラブの合志議員の計6名でした。

 自民党(26人)、公明(5人)、やまぐち県政会(4人)、政友会(2人)、自民党新生会(1人)、県民の誇りを育む会(1人)、光風会(1人)、すずらんの会(1人)の内、採択に参加しなかった議長を除く40名が不採択の態度を表明し、請願は不採択となりました。

 請願を採択すべきと討論したのは、私と社民党・市民連合の中嶋議員、と新政クラブの合志議員でした。

 昨日、中間貯蔵施設に反対する請願の採択を求めて討論を行った私です。

 不採択とすべきと討論したのは、自民党の岡議員、やまぐち県政会の酒本議員でした。

 私が、行った討論は以下の通りです。

・・・

 日本共産党を代表して討論を行います。
 本議会に付託された10議案のうち、議案第2号を除く、9議案には賛成します。
 反対する議案第2号は、「令和5年度の建設事業に要する経費に関し市町が負担すべき金額を定めることについて」です。
 今議会に提案された市町から徴収する負担金は、39事業で約29億3200万円にのぼります。
 国は、2010年度から直轄事業負担金について、維持管理に係る負担金制度を廃止し、人件費等の事務費を地元負担の対象外としました。
 これに対し、全国知事会は、2017年度まで「国の施策並びに予算に関する提案・要望」の中に「直轄事業負担金制度改革の確実な推進について」との項目を立て直轄事業負担金について、廃止を含む抜本的見直しを求めてきました。
 全国市長会もこの間、国に対し、都道府県事業に係る都市負担金の抜本的な見直しを要請し、都道府県負担金は「最終的には廃止」するよう求めています。
 少なくとも新潟・和歌山・福岡・佐賀・三重の5県は、県事業負担金の原則廃止に踏み切っています。
 県は、市町負担金について、国に倣い2010年度から事務費を市町負担金の対象から除外するなどの見直しを行っていますが、県として市町負担金を廃止する決断を行うべきであり、本議案には反対します。
 次に請願についてです。
 請願第1号から5号はいずれも、「使用済み核燃料『中間貯蔵施設』に上関町への誘致に反対すること」を求めるものです。
 この請願5本を不採択とする産業観光委員長報告に反対いたします。
 産業観光委員会の採決では、請願に反対する会派から「本請願は、具体的な根拠を示すこともなく、中間貯蔵施設は危険である、最終貯蔵施設となる可能性が高いなどと一方的に決めつけ、いたずらに不安を煽り、あたかも冷静な判断を妨げるかのような主張に終始しており、このような主張は、到底賛同できるものではない」との意見が出されました。
 まず、使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」の危険性に根拠がないとの指摘についてです。
各請願者は、中間貯蔵施設の危険性を次のように指摘しています。
 「上関町に運び込まれる使用済み核燃料を5000㌧規模と過程すると、広島型原爆17万発分の『死の灰』である。使用済み核燃料から出る放射能は10万年もの管理を要するとされ、『中間貯蔵施設』に置くだけで安全に保管できる保障はない」と指摘しています。
 伊方原発広島裁判原告団の事務局を務めている哲野イサク氏は論文で、「200種以上に上る核分裂生成物(死の灰)中から、日本政府は長期的にもっとも影響の大きいとされるセシウム137に着目して、福島原発事故では広島原爆で発生したセシウム137の168発分が発生した、とIAEA(国際原子力機関)に報告した。ところが、1号機から3号機が抱えていたセシウム137のうち外部放出したのは、2%に過ぎない。1号機から3号機が抱えていたウラン燃料は新燃料換算で600㌧である。別な言い方をすれば、1号から3号炉内には、広島原爆8400発分のセシウム137を抱えていた」と述べています。
 政府がIAEAに報告したデータを基に算出した数字を基に計算した結果が、中間貯蔵施設に運びこまれる「使用済み核燃料を5000トン規模と仮定すると、広島型原爆17万発分の『死の灰』(核分裂生成物)」という表現となっているのです。
 そのうえ、本会議でも指摘されたように、使用済み核燃料を貯蔵する乾式キャスクの耐用年数は40~60年とも言われており、破損すれば放射能が漏れだすリスクもあります。
 このように、「中間貯蔵施設」に危険性があることは明白です。
 次に、使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」が、最終処分場になる可能性が高いことに根拠がないとの指摘についてです。
 各請願者は、中間貯蔵施設が最終処分場になる可能性が高いことについて次のように指摘しています。
 「『中間貯蔵施設』は、使用済核燃料の再処理、核燃料サイクル計画を前提としている。現在、最終処分場のめども立たず、核燃料サイクル計画は事実上破綻しており、一旦使用済み核燃料の貯蔵を受け入れれば、『中間』とは名ばかりの恒久的な『貯蔵施設』となる可能性が高いと言える」
最終処分場の建設が困難を極めているのは、長崎県対馬市長の判断で明白です。
 比田勝対馬市長は9月27日、市議会本会議で高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致に向けた文献調査について「市民の合意形成が不十分と判断した。観光業、水産業などへの風評被害が少なからず発生すると考えられる」と指摘。「想定外の要因による危険性が排除できない」と処分場の安全性にも疑問を投げかけました。
 「中間貯蔵施設」は、青森県六ケ所村の再処理施設が稼働しなければ、使用済み核燃料は施設に滞留したままになります。
 私が一般質問で指摘した通り、六ケ所村再処理施設に係る原子力規制委員会の議事録には、「年明けくらいというのが、ある種、そこから技術的に始まると思っている」とあり、中国電力が住民向けチラシで、六ケ所再処理施設が「24年度上期に竣工」する見通しは全く立っていません。
 以上から請願にある「『中間』とは名ばかりの恒久的な『貯蔵施設』となる可能性が高い」ことには「具体的な根拠ある」ことは明白です。
 請願の紹介議員の一人として、これら請願を不採択にするという委員長報告に多くの議員が反対されることを訴えて討論とします。

・・・

 9月県議会は閉幕しましたが、引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせいただきたいと思います。

 県政へのご意見を藤本までお寄せください。

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