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宇宙状況把握(SSA)レーダー基地が、宇宙領域把握(SDA)体制に組み込まれることは明らか

    6月17日、宇宙監視レーダー基地建設に反対する会(以下レーダー基地に反対する会)が中国四国防衛局に行っていた申し入れに対する回答が、昨日行われ、私も参加しました。
 まず、宇宙監視レーダー基地を菊川断層帯上に建設することについてです。
 レーダー基地に反対する会は、「防衛省が私たちに住民へ回答した際の『レーダー基地直下に活断層が無いことを確認した』という根拠が、国立研究開発法人産業技術総合研究所及び文科省地震調査推進本部のデーターベースであった。しかし、防衛省が示した両者の菊川断層に関する記述には重大な相違点があることが判明した。しかも、防衛省はこの重大な相違点を知りながら、レーダー基地直下の活断層調査も行わず、住民に対しては『レーダー基地直下に活断層が無いことを認した』と繰り返し回答したが、これは欺瞞である。直下に活断層が無いと判断した具体的な根拠があれば示されたい。」と質しました。
 中国四国防衛局の担当者は「敷地内に活断層があるという資料は見当たらない。建築基準法に基づく耐震基準には合致した施設となっている。活断層の調査を行う考えはない。」と答えました。
 参加者が国土地理院の最新の調査結果で、施設から約300メートル北側に活断層があることが判明していると指摘すると、担当者は、「敷地外に活断層があることは承知している」と答えました。
 私は、「施設から300メートル離れた活断層は調査しなくてもいいと判断した根拠を示せ」と質しました。担当者は「施設内に活断層があるという資料は見当たらない」との答弁を繰り返し、新たに活断層調査を行う考えはないと答えました。
 第二は、宇宙監視レーダーの役割についてです。
 レーダー基地に反対する会は「防衛省が進めるSSAレーダー基地に対して、3月16日米宇宙統合軍のモアハウス准将が、宇宙監視レーダーが『北朝鮮のミサイル発射への対応にも活用できると期待する』と述べている。このことは、『敵基地反撃能力』のことと推察される。このことが可能なのかどうか説明を求める」
 中国四国防衛局の担当者は、「SSAレーダーは、北朝鮮のミサイル発射を探知するものではない。宇宙ゴミや静止衛星などを監視するSSAレーダーの機能は変わっていない」と答えました。
 政府の宇宙開発戦略本部が決定し、今年6月13日に閣議決定された「宇宙基本計画」は「宇宙領域把握(SDA)体制の構築」について次のように書いています。
 「これまで構築してきた宇宙物体の位置や軌道等の情報を把握する宇宙状況監視(SSA)体制に加え、宇宙物体の運用・利用状況及びその意図や能力を把握する宇宙領域把握(SDA)体制を構築する。」
 私は、宇宙領域把握体制の構築の中で、宇宙状況把握体制はどのように変化するのか住民に説明すべきではないかと質しました。
 中国四国防衛局の担当者は「あくまでも宇宙状況把握体制は変わらない」と繰り返します。
 私は、「『宇宙基本計画工程表』に『実効的なSDAを実施するために必要な、宇宙領域専門部隊を引き続き強化するとともに、宇宙状況把握システムを運用する』と明記されている。SDAを実施するために、SSAを運用すると工程表に明記されている。宇宙基本計画を受けて、SSAに新たな役割がどのように付加されるのか住民に説明すべきだ」と再度質しました。
 中国四国防衛局の担当者は、工程表に書かれている事実を認め、「この場では回答できない」ことを認めました。
 私は、SDAを実施するためにSSAを運用することで、SSAに新たにどのような任務が付加するのか、県を通じて国に照会してもらうよう本日中に総務部へ要請しようと思います。
 第三は、レーダー運用時の電磁波に対するモニタリングについてです。
 レーダー基地に反対する会は「防衛省から『机上での検討の結果電磁波は、法務省電波防護指針に定められている数値より低く収まっており、モニタリングを行う考えはない』と回答があった。令和1年8月28日に行われた第二回住民説明会では、運用開始後のモニタリングについての質問に対し『当然行う予定です。数値等については必要があれば示したい』と回答があった。モニタリング実施について考え方を転換したのかどうか説明されたい」と質しました。
 山陽小野田市のホームページに、山陽受信跡地へのレーダー配備についての説明会(第2回)の職員がまとめた資料がアップされています。
 Q運用開始後も、モニター等で定期的に、測定するのか。A当然、行う予定。数字等については必要があれば示していきたい。と山陽小野田市の公文書にも明確です。
 防衛省の担当者は、「運用開始後は法令の範囲内であるか検査は行う。開始後のモニタリングを行う考えはない」との答弁を行いました。
 のど元過ぎれば熱さ忘れる防衛省の姿勢が明確です。防衛省は住民説明会での答弁に責任を持ち運用開始後のモニタリング調査を実施し、必要な場合は、その結果を住民に開示すべきです。
 第四は、レーダー基地内の危機管理体制についてです。
 レーダー基地に反対する会は「『警備体制の人員配置については検討中』となっていたが、現状を示されたい。また、レーダー基地からの周囲の幹線道路までの距離がわずか百数十メートルの場所もあり、危機管理上の人員配置に対する考えを示されたい。また、危機管理上でさえ人員配置ができない理由があるのか示されたい」と質しました。
 中国四国防衛局の担当者は、「監視カメラで24時間365日監視していく。警備員を配置するかどうか現在検討中だ」と答えました。
 この点についても、警備体制をとることを住民に示しながら、配置人員を未だに示さない防衛省の姿勢は、周辺住民の意向尊重は、建設が始まる前までとも受け止められます。
 今日学んだ様々な問題につて、県を通じて国に質していきたいと思います。

 

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