ブログ

子どもと教育をまもる山口県民会議が「少人数学級後退、加配凍結・削減」方針撤回を求める山口県民請願署名スタート

 日本共産党千葉県議団が教員不足の問題で、昨年8月に発表した提言を紹介します。

・・・

 学校に先生がいない…深刻な教員不足の解決めざす提言

                                                 2022年8月30日

日 本 共 産 党 千 葉 県 委 員 会

日本共産党千葉県議会議員団

一、いま、教員不足の学校現場で何が起こっているのか

 教員不足が社会問題となり、週刊誌やテレビなどでもとりあげられている。8月上旬に教師3人が欠員のまま新学期を迎えた千葉県内のある小学校がテレビ放映され、番組では「本来は担任を持たないはずだった教務主任がクラス担任を兼務し、2人分の仕事に追われている」と報じた。その先生は、朝7時半に出勤し、漢字の宿題確認、プール授業の保護者同意カードを忘れた児童3人の家庭への電話、担任をしているクラスの授業を行い、児童が下校後、教務主任として栄養教諭らとの給食の献立会議、5年生の夏休み中の林間学校についての会議、コロナに感染した児童に関する連絡、書類作成、教育委員会への報告を済ませ、職員会議の資料や夏休みの日程表作成、通知の配布などを終え、その後に担任の業務である漢字ドリルの丸つけにとりかかり、校内の戸締りを確認し、午後11時過
ぎに帰宅の途についた。「毎日がギリギリ」であると語っている。
 この小学校は、新年度、担任の予定がなかった再任用の教師が急きょ担任をカバーした学級もある。この教師は児童たちから慕われ、良好な関係を築いたが、新たにフルタイムの非常勤講師が確保できたため、2学期から別の学校に異動となる。突然、それを伝えられた児童の中には泣き出す子もいたとのことである。校長は「子どもたちにとって担任がころころ代わる(半年で3人目)のがいちばん困る。保護者も学校に不信感を持たないか心配。現場はいつ破綻してもおかしくない。欠員のしわ寄せでほかの教員たちが潰れないでほしい」などと深刻な現状を訴えている。

二、増え続ける教員未配置

 このような実態は特殊な事例ではない。本来、年度初めから学校にいるはずの先生や、年度途中の産休・育休、長期療養休暇等の代替講師の未配置が慢性化し、学校現場はコロナ禍も相まって、子ども一人ひとりを手厚くみる教育とは、ほど遠い状況に追い込まれている。その解消に真剣な対策を講じてこなかった県教育委員会の責任は極めて重大である。
 千葉県の公立小・中学校、県立中学校、県立高校、県立特別支援学校などの講師未配置校の推移をみると、全体として年度初めから年度末にむけて増加している。さらに、年を追うごとに増えている。この実態に沿った対策が急務となっている。

三、おおもとにある異常な長時間過密労働と定数改善を怠ってきた国の責任

 教員未配置が生じる最大の要因は、異常な長時間過密労働にある。県教委の調査(千葉市を除く)によれば、月当たりの時間外在校時間が45時間を超えている教諭等(管理職以外)は45.7%で、いわゆる過労死ラインである80時間以上は10.7%に達する。
 2020年度の管理職を含む教職員等の病気休職者252人のうち177人(70.2%)は精神疾患によるものである。同じく、1か月以上の療養休暇取得は500人で、そのうち、211人(42.2%)は精神疾患である。まさに教員は自らの健康を害し、身体と心のバランスを崩しながらも必死で学校現場を支えている姿が浮き彫りになっている。
 さらに、本来必要な正規教員まで非正規教員でまかなうため、長期療養休暇などの代替講師の確保が困難になっている。欠員が生じた学校では、ほかの教員に負担がしわ寄せされ、「ドミノ倒し」のような状況も見受けられる。
 こうした教職現場の労働実態は、教員を志す学生を遠ざける傾向をつくりだしている。
 教員の長時間過密労働解消へむけ、県教育委員会は何をすべきか第一に、国に対し教員定数改善を強く迫ることが重要である。何よりも正規教員の定数を増やすことが求められており、35人、30人の少人数学級の計画的な拡大をすすめることは急務である。
 国は、教育関係者や世論に押されて、ようやく2021年度から5か年計画で小学校の35人学級に踏み出した。一歩前進といえるが、そのテンポを可能な限り早めるべきである。加えて、一日の授業コマ負担を減らし、現業職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワカーの定数化、義務教育給与の国庫負担率を2分の1に戻す必要がある。
 千葉県では、小学校1年生から3年生まで一学級35人編成とし、4年生から6年生まで38人を選択できるとし、また中学校では1年生は35人編成とし、2年生から3年生は38人を選択できるとしているが、今後さらに、高校も含む少人数学級の拡充をはかることが求められる。
 第二は、一人ひとりの教員の負担を可能な限り減らすことである。たとえば、全国学力テストや、過多の行政研修、中学・高校での勝敗第一に偏った部活動の負担などを軽減し、授業準備や、一人ひとりの子どもと向き合う時間、適切な休養と家族などと過ごす時間を確保することなどが求められている。
 国および県教委に対して、教職員は教育に携わる専門職であり、自身の裁量で自律的に職務を果たしてこそ、子どもたちの成長と人格形成に責任を負うことができる、との立場を堅持するよう改めて指摘する。

四、日本共産党県議団の緊急提案…2つの柱

 教員未配置の解決にむけ、①年度当初からの教員定数に満たない事態をなくすために、前年度の教員採用試験募集人数を大幅にふやす。②年度途中からの長期休暇(産休・育休・療養休等)代替教員の速やかな確保のために、年度当初からの県独自の教員(県単教員)を採用するよう提案する。

1.定数内欠員不補充・「定欠」未配置をなくすために
 県教委は「定欠」未配置が生じる要因として、年度途中の正規教員退職、再任用予定者の辞退、教員採用試験合格者の辞退、特別支援学校をはじめ急な児童・生徒の転入などによる学級増をあげている。しかし、4月の始業式の時点で「必要な先生がいない」という状況が毎年繰り返されるなどということは絶対に許されない。
 今年度の小学校の場合、始業式時点の「定欠」未配置は109人に上っている。昨年は小学校の教員採用試験の募集人数を640人と設定し、合格者の辞退を除く県の採用者数は662人となり、この方々は今年度から教職に就いている。しかし昨年度の動向を見れば、定年退職者数390人、正規教員の退職者が272人であり、これは今年度の新規採用分に匹敵する減員となっている。これに加えて、昨年度の再任用見込み者の辞退が48人、特別支援学級など急な転入等による学級増が151となっており、これらが年度当初からの「定欠」未配置を生む大きな要因となっている。
 提案1 マイナス要因を経年的に分析し、それを加味した募集人員とし、突発的な事態にも対応できるよう、採用数そのものを大幅に増員し、ゆとりある教員配置とすることが、「定欠」未配置解消のために求められている。
 採用試験の募集人数は、法的な縛りはなく、自治体独自の裁量で決められることは県教委も認めており、県教委がその気になれば、余裕をもった募集人員とすることは可能である。仮に、定数欠員の見込み数を上回って採用した場合は、各学校に加配するなど現場の負担軽減に活用する。

2.年度途中からの長期休暇代替未配置をなくすために

 なぜ、代替教員未配置が起こるのか、県教委は「事由が生じた時点で配置」するとしている。つまり、産休、育休、療養休暇に入った時点で、単発的に期間限定で講師を募集する。しかし、産休・育休の取得などは少なくとも6か月前には把握できる。にもかかわらず、代替配置ができず「学校現場の穴」が拡大している。
 妊娠した教員の補助講師が確保できない事態も起こっている。2022年度、小・中学校(千葉市除く)において、6月1日現在320人の教員が産休を取得したが、補助講師は79人(24.7%)しか配置できていない。学校現場では、妊娠した教員の母体保護のため、体育は、複数のクラスが合同で行ったり、臨時に他の先生がつかざるを得ない。
 提案2 長期休暇代替講師は、毎年改定される「学校職員定数条例」上の「県単定数」教員によって措置されている。しかし現状は期間を限定した単発的発令にとどまっている。「県単定数」分を県教委の責任で年度当初から採用し、通常は教育事務所ごとに学校に加配し、休暇代替が必要となった時点で、学校に直ちに配置すれば、休暇代替未配置の解消につながり、代替講師確保の実務もかなり軽減されることになる。県教委も「制度上可能」としており、県単教員の人件費は年度当初から予算計上されている。十分に可能な対策といえる。
 県単教員一人あたり必要な人件費は年間平均527万円。小学校に限ると104人分で5億4810万円である。この金額は、県の年間教育費3630億円のわずか0.15%に過ぎず、その気になれば、十分可能である。
 わが党は、県民と力をあわせ、子どもたちの豊かな成長を育む情熱に燃えて教員が元気に働ける学校めざし、一刻の猶予もない教員不足の解決へ全力をあげるものである。

                                                                    以上

・・・ 

 山口県内では、中学校2・3年の1学級を35人から38人にするなど、教員不足の深刻さが露呈しています。

 子どもと教育をまもる山口県民会議は、「1学級当たりの生徒数を減らしてください!先生を増やしてください!『少人数学級後退、加配凍結・削減』方針の撤回を求める山口県民請願署名」をスタートさせました。

 知事と教育長に対する請願事項は次の5点です。

 ①中2、中3の38人学級化の方針を撤回し、30人学級とすること。最低でも、従来どおり35人学級にしてください。

 ②加配凍結・削減の方針を撤回し、最大限教職員を配置すること。

 ③年度途中からでも、現場に教職員を配置し、未配置を解消すること

 ④教員がしっかり子どもと向き合い、授業や学級に集中できるような体制をつくること。

 ⑤教員採用試験の採用枠を大幅に増やし、正規採用者を増やすこと。また、教職員の賃金や待遇の改善、長時間労働を解消し、教職志願者が増えるような施策を推進すること。

 同様の趣旨の署名を県議会議長にも提出する予定です。

 署名の締め切りは11月23日で、11月県議会までに知事・教育長、県議会議長に、署名が、提出される見通しです。

 署名が私も預かっています。署名したい方は、藤本にご連絡ください。

 県内での教員不足に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

 私は、県議会常任委員会の所属が文教警察委員会となりました。

 一般質問だけではなく委員会の中でも、これらの問題を指摘していきたいと思いますので、ご意見をお聞かせください。

 

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。