20日、しんぶん赤旗日刊紙は、鳥取県の全市町村で、24年度から18歳以下の子どもの医療費が完全無償化される見通しだと次のように報じました。
「鳥取県の全市町村で2024年度から18歳以下の子どもの医療費が完全無償化される見通しとなりました。鳥取県は18日、『県・市町村行政懇談会』を開き、平井伸治知事と関係部局長、全市町村長が出席のもと、県が18歳以下の子どもの医療費を完全無償化することを提案し、全市町村長が了承しました。全県で所得制限や年齢制限なしで完全無償化するのは全国初です。現在、県内の18歳以下の子どもの医療費は、22年7月から独自で完全無償化している日野町を除いて、一部負担(通院1日当たり530円、入院1日当たり、1200円)があります。県と市町村がそれぞれ2分の1ずつ、医療費の助成をしており、一部負担分についても県と市町村が折半で助成します。『本来なら国が全国一律でやるべきだ』との意見や財源問題などについての懸念が表明されましたが、平井知事が『全市町村が一斉に無償化することが大切だ』と訴え、同意が得られました。県子育て王国課は、『子育て世帯の負担軽減に取り組む(シン・子育て王国とっとり)の施策の一つです』と話しています。」
2020年3月に改訂された「山口県人口ビジョン〔改訂版〕」には、「2024年に合計特殊出生率を本件希望出生率1.7に向上させ」とあります。
しかし、2023年2月22日に行われた「活力創出本部会議・デジタル推進本部会議」に示された「山口県の人口減少の状況」では、2020年の山口県の合計特殊出生率は1.50と、2016年の1.60をピークに直近の5年は減少傾向が続いています。
このままでは、2024年に山口県の合計特殊出生率を1.7に向上させることは困難な見通しです。
私は、5月11日、第62回市町村議会議員研修会で、奈良女子大学の山中徹教授の講演を聴きました。
この中で、中山教授は、兵庫県明石市の例を示しました。
兵庫県明石市は、合計特殊出生率が2011年1.5⇒2016年1.64⇒2021年1.65と上昇しています。
中山教授は、「明石市は、給食費の無償化、保育所の整備、保育士の確保、学童保育の充実、医療費の無償化等々、子育て支援に多くの予算を使っているが、その結果、ファミリー層が増え、子どもも増えている」と指摘しました。
5月20日、読売新聞は、県内移住が過去最多の3655人になったと報じました。
その努力を評価しつつ、山口県は、兵庫県明石市や、県内市町の多くの自治体が子どもの医療費無料化の対象を中学卒業以上にしていることに学び、20年以上未就学児を対象としている子ども医療費の対象年齢の拡大に踏み込む時です。
その方向にしか山口県の人口ビジョンで示された合計特殊出生率の目標を達成する道はありません。
山口県の人口減少に歯止めがかかっていません。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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