28日、山口新聞は、災害で住宅が壊れたのに国の支援対象から漏れた世帯に対する都道府県の独自給付について次のように報じました。
「災害で住宅が壊れたのに国の支援対象から漏れた世帯に向けて、山口など28都府県が独自の恒久的な給付金制度を設けていることが内閣府のまとめで27日、分かった。最大300万円を支給する国の『被災者生活支援制度』は、被害の大きな市町村の世帯のみが対象。同じように住宅が被災した人でも、住居地によって給付を受けられないことが背景にある。不公平感の解消を図った形だ。被災者生活再建支援制度は、住宅の『全壊』『大規模半壊』『中規模半壊』などが支給要件。支給額は被害の程度と再建方法によって変わる。ただ『全壊10世帯以上の市町村』『全壊100世帯以上の都道府県』「など、自治体単位で適用されるかどうかが決まるため、同様の被害を受けても住んでいる自治体によって支援対象となったり、ならなかったりする。内閣府の12月現在の調査によると、条例や要綱で独自の給付金制度を設けているのは、福島、京都、佐賀など28都府県。居住自治体が国の支援対象にならなかった被害者に、ほぼ同等の額を支援する。気象災害の頻発などを踏まえ、青森など5件で、2020年以降に制度を設けている。制度がないのは、新潟、石川、岡山、鹿児島など19道府県。ただ、その場合も災害ごとに給付を判断し、予算化して対応している例があった。取材に対し『財政的に厳しい』(北海道)や『県内に住所がある人向けの共済制度を条例で設けている』(兵庫)といった声もあった。給付金とは別に、数万~数十万円を『見舞金』として支給する自治体も多かった。全国知事会は、現在の制度は『被災者の不公平感を招く』と指摘。『煩雑な被災者支援制度の抜本的な見直しが必要だ』としている。」
記事の中にあるように、国の被災者生活再建支援法は、「全壊10世帯以上の市町村」に適用されます。山口県は、「被災者生活再建支援法が適用される市町が1以上ある自然災害」を対象に「被災者生活再建支援制度の対象となる被害と同等の被害を受けながら、その自然災害が被災者生活再建支援法施行令第1条に定める規模に達しないため、被災者生活再建支援法による支援を受けられない世帯」に交付要綱を定め、被災者生活再建支援法と同等の支援金を県と市町で2分の1づつ負担をして被災者に支給しています。
私は、この点は評価した上で、2019年11月県議会の一般質問で、被災者生活支援制度の拡充について指摘しました。
2019年7月豪雨での住宅被害は、全壊23棟、半壊522棟、一部損壊109棟、でしたが、被災者生活再建支援制度で支援金が支給されたのは、全壊20世帯、大規模半壊23世帯、住宅を解体した9世帯、合計52世帯だけでした。
私は、「いくつかの府県が、半壊や床上浸水世帯にも独自の支援をしている。半壊・床上浸水世帯にも支援金を支給するよう制度を拡充すべき」と質しました。
記事にある内閣府の12月1日現在の「都道府県独自の被災者生活再建支援制度」によると、
中規模半壊に対し支援金を支給しているのが、青森、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、新潟、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、滋賀、京都、鳥取、島根、広島、徳島、愛媛、福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎の30都府県でした。最大は東京都の200万円でした。
半壊に対して支援金を支給しているのが、東京、新潟、福井、長野、岐阜、滋賀、京都、鳥取、島根、徳島、大分の11都県でした。最大は、東京都の200万円でした。
床上浸水に給付金が支給されているのが、岩手、新潟、福井、岐阜、滋賀、京都、徳島、大分の8県でした。最大は50万円の滋賀・京都でした。
恒常的な制度ではなく、災害に応じて対応した実績も入れています。見舞金や共済制度などは除外しました。あくまでも私独自の判断でのカウントです。内閣府のホームページに元のデータがありますので、各々で判断してください。
少なくとも、国が対応していない、中規模半壊、半壊、床上浸水に対し、多くの自治体で、支援金を支給していることを山口県は見習い、市町と協議をし、県独自の被災者生活再建支援事業補助金交付要綱を拡充すべきです。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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