今年7月、毎日新聞は、被害者支援制度について次のように報じました。
「見舞金の支給や生活面でのサポートなど、犯罪被害者の遺族への支援に特化した条例を制定する動きが広がって「いる。18日で発生から3年を迎える京都市伏見区の京都アニメーション放火殺人事件などを受け、自治体の動きが加速している格好だ。毎日新聞の調査では、15日時点で40都道府県が既に定めたほか、京都、山梨など4府県が今年度内の実現を目指している。ただ、住民に近い立場で支援を提供する市町村の制定状況は低調で、支援内容にも地域差が大きいのが実情だ。京都府は6月末、学識経験者や弁護士らによる検討委員会を設置し、年度内の条例制定に向けて議論を始めた。拝啓にあるのが、36人が死亡した2019年7月の京アニ事件や、21年12月に大阪市・北新地で発生し26人が犠牲になったクリニック放火殺人事件だ。自治体による被害者支援の具体策は市町村が定めている場合が多いが、被害者や遺族が多数で広域にまたがる事件では、居住地によって支援にさが出る懸念がある。京都府は同種の事件に対応するため、府全体で支援策を強化する考えだ。21年4月に条例を施行した千葉県は22年3月、支援の推進計画を策定した。金銭的な支援も盛り込み殺人事件などの遺族に30万円、ふしょうした犯罪被害者には10万円を支給する。弁護士の法律相談を初回は無料で受けられる制度も設けた。沖縄県では7月15日に条例が可決・成立。兵庫県は1日に検討委員会を発足させ、愛媛県と山梨県も『被害者支援の理解を深め、社会全体で支える契機としたい」などとして年度内の成立を目指している。毎日新聞の集計では、犯罪被害者支援に特化した条例を定めた都道府県は21年4月時点では32にとどまったが、22年度中には44まで増える見通し。特化した条例のない岩手、鳥取、島根の3件は『既存の条例で支援を充実させて対応する』としている。全20政令市では12市が条例を設けており、相模原市も検討に入った。警察庁によると21年4月現在、政令市を除く全国1721市区町村のうち、被害者支援を目的とした条例が制定されているのは384(22・3%)。秋田や佐賀など7府県では全市町村で条例が定められている一方、沖縄など13件ではゼロで地域間の温度差が目立つ。支援の一つである見舞金は都道府県によって給付額が10万~60万円などと差があり、制度がない自治体もある。市町村でも支援内容は大きく異なり、横浜市は引っ越しを余儀なくされた場合に転居費用を助成し、兵庫県明石市は賠償金の一部(上限300万円)を立て替える制度を設けている。被害者支援に詳しい諸沢道英・元常磐大学長は『(自分の住む町では支援が受けられない)という声をよく聞く。被害者支援の最前線は市町村、都道府県が条例を作ればそのバックアップになる。どの地域でも被害者が支えられるようになる。どの地域でも被害者が支えれるよう、全国に条例が必要だ』と話した。」
私は、先日、公益社団法人山口被害者支援センターの田中裕康事務局長のお話をお聞きする機会がありました。
県内の犯罪被害者等支援条例の制定状況は、防府市、柳井市、周防大島町、田布施町、平生町、上関町、周南市、宇部市で制定され、故年度中に、岩国市、下松市も制定予定だということででした。
見舞金を支給しているのは、防府市、周南市、宇部市の3市だということです。
山口県は、昨年4月1日、「山口県犯罪被害者等支援条例」を施行し、最大20万円を上限に犯罪被害者等に転居費用の助成を行っています。
警察庁が、昨年4月1日現在の犯罪被害者等を対象にした見舞金・貸付金の制度を持っている都道府県の状況をホームページで公開しています。
見舞金支給しているのは、東京、福井、岐阜、愛知、三重、香川、高知、熊本の8都県です。貸付金を支給しているのは、神奈川、和歌山の2県です。
全国で条例制定が広がる中、現時点では、更に、見舞金、貸付金を支給している都道府県が増加していることが想定されます。
山口県で条例が制定されて2年目ですが、犯罪被害者等へ見舞金か貸付金を支給するよう制度拡充を検討すべきだと思います。
犯罪被害者等への支援に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。