ブログ

県は「環境影響評価は事業の可否を問うものとは位置付けられていない」の誤解を解消すべき

 私は、6月17日に一般質問で登壇しました。
 今日は、メガ発電施設に関する諸問題の内、風力発電について報告します。
 第一は、環境アセスメントに対する知事意見についてです。
 2月県議会で、環境アセスメントに対する知事意見について県は「『事業の廃止や取り止め』などの表現は、事業の可否について言及したものと受け止められかねないことから、本県の知事意見には用いていない」と答弁しました。
 日本共産党山口県委員会と環境省との交渉の中で、環境省は「環境影響評価法に基づき、事業が環境の保全に適切に配慮していないと判断した場合、県知事が事業の廃止に触れることは可能である」と答えました。
 私は、「今後、県は、知事意見について、他県同様『事業の廃止や取り止め』を選択肢に含めるべきだ」と質しました。
 藤田環境生活部長は「環境影響評価は、事業の可否を問うものとは位置付けられないことから、本県では、これまでも『事業の廃止や取り止め』などの表現を用いていないところであり、今後も、環境保全の見地から、適切な知事意見を述べてまいります。」と答えました。
 県が、「環境影響評価は、事業の可否を問うものとは位置付けられていない」とする根拠は、「逐条解説 環境影響評価法」がその一つです。本書58ページに、「環境影響評価は、事業の可否を問うものとは位置付けられていない」とあります。
 この文章に直前にこう書かれてあります。
 「事業の可否は、当該事業を必要とする公共性、社会性やその雇用効果、経済効果なども考慮の上、さらには時として政治的判断も加えられ、まさに総合的見地から決せられるものである。」
 逐条解説は、「環境影響評価は、政治的判断などで事業の可否を判断してはならない」ことを述べたものであり、環境評価法に基づき知事県が、環境影響評価法に基づき、事業が環境の保全に適切に配慮しているか発言する上で、「事業の廃止や取り止め」に言及してはいけないとうことを言っているものではありません。
 県は、環境影響評価法の解釈に対する誤解を素直に認め、知事意見において、他県や環境大臣が使用したことのある「事業の廃止や取り止め」を選択肢に入れるべきです。
 第二は、阿武風力発電事業(仮称)に関する問題です。
 今年1月、アブサンショウウオが特定第二種国内希少動植物種に追加されました。
 私は、「県は、アブサンショウウオの保護のため、事業者に対し、より一層の対応を求めるべきだ」と質しました。
 藤田部長は「阿武風力発電事業に係る環境影響評価の知事意見において、アブサンショウウオをはじめとした各種希少生物への影響の回避・低減を求めているところだ」と答えました。
 第三は、天井山風力発電事業(仮称)に関する問題です。
 昨年4月の天井山風力発電(仮称)に係る県環境影響評価技術審査会において、委員から「計画地の地質は、開発により重金属が染み出る可能性があるため、慎重なモニタリングの姿勢が必要」と指摘されました。
 私は、「計画地は、長門・美祢、宇部・山陽小野田市民の水源であり、県は、重金属による水質への影響について、事業者に対し、より一層の対応を求めるべきだ」と質しました。
 藤田部長は「天井山風力発電事業に係る環境影響評価の知事意見において、地層・地質や集水域に係る知見を収集し、水質等への影響を回避・低減するよう求めているところだ」と答えました。
 天井山風力発電事業に関しては、本ブログで報告した通り、その後、事業者が事業の凍結を表明したところです。
 引き続き、県内のメガ発電施設の問題点を調査し、必要な発言を行っていく予定です。
 皆さんのこの問題でのご意見をお聞かせ下さい。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。