ブログ

県内で50代の自宅療養中の患者が死亡

 5月15日読売新聞は、新型コロナウイルスに感染して療養中だった50歳代の女性患者が亡くなったことについて次のように報じました。
 「県は14日、新型コロナウイルスに感染して自宅療養中だった50歳代の女性患者が死亡したと発表した。自宅療養中に亡くなったのは、県内で初めて。県内の死者は175人となった。発表によると、女性は10日に発熱などの症状を訴え、同日の抗原検査で陽性と判定された。基礎疾患があったものの軽症だったため、保健所が自宅療養することを決めた。女性は一人暮らしだった。ところが、同日午後に保健所と電話で連絡を取り合ったのを最後に電話が通じなくなった。3日後の13日夕、職員が自宅を訪問したが、反応がなったため警察に通報。自宅敷地内で倒れている女性が発見され、その場で死亡が確認された。死因は分かっていない。県新型コロナウイルス感染症対策室は『現時点では自宅療養にした判断や、その後の対応にミスはなかったと考えている』としている。」
 5月14日、村岡知事は、この自宅療養者の死亡について次のコメントを発表しました。
 「昨日、新型コロナウイルス感染症で自宅療養しておられた方の死亡が判明しました。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の方には心よりお悔やみを申し上げます。県としては、関係機関と連携し、自宅療養の支援体制の更なる徹底を図り、県民の安心・安全の確保に万全を期してまいります。」
 1月13日、村岡知事は、定例記者会見で、「医師の判断の下、治療等が必要のない軽症・無症状の方に対しては、緊急対応として、自宅療養を導入している」と発言し、「軽症・無症状者は、宿泊療養を基本にする」との原則を転換しました。
 村岡知事は、同記者会見で自宅療養者へのサポート体制について次のように述べました。
 「県は、これまで入院や宿泊療養を基本とした療養体制で対応してきたところでありますが、救急等の一般医療とコロナ医療の両立を図りながら、コロナ患者の症状に応じた治療、あるいは療養、この体制を確保することが重要であると考えております。このため、現在、岩国市において、先行的に実施をしています自宅療養体制を、今後、他地域においても導入することとしています。申し上げるまでもなく、自宅療養の導入にあたりましては、感染された方が安心・安全に療養できる、このことが何よりも重要であります。このため、県としては、地域の医療機関、そして、地元市町等が連携をして、安心、そして安全な支援体制の下、これを導入してまいります。具体的には、まず、保健所、そして地域の医療機関等が、自宅で療養されている方に対して、毎日、電話による体調の確認は行う、この体制を確保します。そして、万全の健康管理の体制の下で、これを実施をしてまいりますし、また、自ら必要な健康チェックができますように、全ての方にパルスオキシメーターを配布いたします。また、体調が変化した場合には、担当の医療機関が電話や訪問による診療、そして、薬の処方、これを行いますし、必要があれば、速やかに医療機関の方に入院をしていtだくということにしております。さらに、食料などの日常的な必需品の配送、また、市町と連携した日常生活支援などのきめ細かな支援、これも行ってまいります。こうした支援に協力していただく地域の医療機関、また薬局については、現在、県内205の医療機関、そして、330の薬局、こちらと協定を締結しているところでありますが、今般の感染拡大を受けて、さらなる協力の申し出をいただいているところでありまして、こうしたサポート体制をしっかりと充実を図っていきたいと、そのように考えています。なお、先ほど、市長会、そして県医師会等、関係機関による連絡会議を開催をいたしまして、こうした自宅療養者への支援体制の強化に向けて、関係者が一体となって取り組むことを申し合わせしたところです。現在、オミクロン株の急拡大が進んでいるところでありますが、感染された方の誰一人取り残されることがないように、こうした療養体制、万全なきめ細かな療養体制の確保をしっかりと図ってまいります。」
 読売新聞の記事から自宅療養中の死亡事案を検証したいと思います。
 まず、保健所は、この方が、基礎疾患があったにも関わらず、なぜ、自宅療養にしたのでしょうか。
 次に、電話が通じなくなって、3日後に職員が訪問したのは、なぜだったのでしょうか。
 知事が記者会見で、「毎日、電話による体調の確認を行う」「体調が変化した場合には、担当の医療機関が電話や訪問による診療、そして、薬の処方、これを行いますし、必要があれば、速やかに医療機関の方に入院していただくということにしています」と述べていますが、連絡が取れない患者を3日間放置していた理由を、県は、県民に説明すべきです。県は、患者の体調の変化について把握できず、入院に繋げることが出来なかった理由を、県民に説明すべきです。
 その上で、県は、これらの問題を解決するための改善策を県民に示すべきです。
 知事がコメントで述べた「自宅療養の支援体制の更なる徹底を図る」だけでは、不十分です。県は、今回、死亡に至った経緯を明らかにし、自宅療養の支援体制の見直しを行うべきです。
 5月15日の宿泊療養者数は167名です。県内に宿泊療養施設は、930室あります。少なくとも基礎疾患のある方は、軽症であっても、宿泊療養を基本にすべきです。
 5月15日の自宅療養者数等は2265名です。県は、2千人を超える自宅療養者の体調の確認を毎日行う体制があるのでしょうか。体制を超える自宅療養者となっていないのか、チェックが必要なのではないでしょうか。この辺りを県は、県民に説明すべきだと思います。
 私は、2月県議会の一般質問でも指摘しましたが、県は、緊急対応を解除し、入院や宿泊療養を基本とした療養体制に戻すべきです。
 自宅療養中の患者さんが死亡する事例が発生しました。皆さんは、この問題をどのように考えておられますか、ご意見をお聞かせ下さい。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。