昨日、9月県議会の最終本会議が行われ、付託された議案等の採択が行われました。
昨日、自民・公明会派が提出した「緊急事態に対応できる国づくりに向けた建設的な議論を求める意見書」が、自民・公明などの会派の賛成で可決されました。
この意見書は、コロナ禍を理由に、憲法に緊急事態条項の新設を求めるものです。
日本共産党、社会民主党、民政会、草の根の各会派の議員は意見書の採択に反対しました。
私は、昨日、討論で登壇しました。意見書の反対理由も述べていますのでご参照ください。
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日本共産党県議団を代表して、本日の会議に付託された議案に対する反対討論を行います。
反対する議案は、議案第3号と意見書案1号です。
まず、議案第3号は、今年度の県事業に要する経費に関し、「市町が負担すべき金額を定める」、いわゆる県事業負担金の額を決めるものです。今議案では37事業について全市町に計27億6000万円の負担金を求めています。
これまでも再々、紹介してきましたが、全国知事会は2009年7月、国の直轄事業負担金制度の廃止や市町村負担金の見直しに向けた申し合わせ事項を確認し、国は翌年度から維持管理経費や事務費などの廃止が実現し、その後、新潟、和歌山、福岡、佐賀、三重の5県は県事業負担金の原則廃止に踏み切っています。
2009年に全国市長会が行った実態調査では、「全国知事会も国直轄事業負担金は廃止すべきとしているのであるから、県事業についても、市町村の意見が反映されず、市町村のチェックが働かないという疑義のある県事業負担金制度は廃止すべき」という意見も紹介されています。
特に今、新型コロナ感染拡大の影響を受けている住民の暮らしや中小零細企業への独自支援策の財源不足に直面している市町を側面支援する意味でも県事業負担金の廃止に踏み切るべきであり、本議案には反対します。
次に、意見書案1号についてです。
本意見書は、新型コロナウイルス感染症に直面する事態を緊急事態と捉え、「関係法規の見直し等による平時からの緊急時のルールの切り替え」と「その根拠規定となる憲法への緊急事態条項の新設等」について国会における議論を求めるものです。
全都道府県議会に県議会事務局を通じて照会した結果「本意見書と同様の意見書が提出された事例は、現在のところなし」との結果でした。
昨年度以降の類似の意見書として、憲法改正をもとめる者や新型コロナウイルスに関して法改正を求めるものは、提出されていますが、新型コロナウイルス感染症に直面する事態を緊急事態と捉え、憲法改正を求める意見書は山口県が全国初となります。
コロナ感染症を制御できないのは、憲法に緊急事態条項がないからではありません。最大の要因は菅政権の無為無策であり、菅政権による人災です。
菅首相は8月25日の記者会見で、「ワクチン接種でデルタ株にも効果があり、明かりがはっきりと見え始めている」と発言しました。救えるはずの命が失われていることに傷みを感じず、根拠のない楽観論をふりまき、責任を一切認めない菅首相の姿勢は許されません。
また、緊急事態条項の創設は、時の政権に強力な権限を集中させ、人権の抑圧につながる恐れがあります。憲法の理念に反するもので、到底、容認できません。
審査した総務企画委員会の委員長報告では、「緊急事態に即応し、国民の命と生活を守るための施策や法整備」について「建設的な議論が進むことを期待する声」が高まっている、こと等を賛成理由にあげられていますが、「国民の命と生活を守るための施策や法整備」を進めるために野党が憲法の規程にもとづいて要求している臨時国会の召集を拒んでいるのが自民公明政権です。
入院治療が必要な国民が、「自宅療養」と称して「自宅放置」されている今日の事態こそ「緊急事態」です。総裁選で政治空白を作る時ではなく、直ちに臨時国会を開き、国民の命が奪われている今の事態への対応を議論する時です。
以上の理由から「緊急事態に対応できる国づくりに向けた建設的な議論を求める意見書」に反対します。
次に、議案1号、2号、15号の補正予算には賛成しますが、いくつかの要望を申し添えたいと思います。
全国知事会は、9月11日に発表した「緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の延長を受けた緊急提言」の中で「長引く感染拡大で疲弊した地域経済を強力に後押しできる地方創生臨時交付金を確保するため、大型の補正予算を、政治日程等の事情に関わらずできる限り早期に編成すること。」を求めています。
政府は、直ちに臨時国会を開催し、地方の経済と住民の命を守る大型補正予算の議論を開始すべきことを重ねて求めるものです。
県は22日の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議において、「デルタ株感染拡大防止集中対策」を9月26日で終了させ、飲食店等への時短等の要請及び協力金の支給期間も打ち切ることを決めました。
県が飲食店等への時短等の要請及び協力金を終了させる背景には、国からの財政措置の見通しの不透明さもあるものと思います。
県は、全国知事会と連携し、政府に、大型補正予算の執行を引き続き求め、国からの財政支援を受けながら、飲食店等、中小企業支援が継続することを強く要望するものです。
また、本部員会議では、県の感染状況を「ステージ3」から「ステージ2」に引き下げるとともに、「本県の対処方針」として、9月27日以降も、「緊急事態宣言及びまん延防止重点措置の対象都道府県との往来の自粛」を県民に要請しました。
コロナ感染拡大の第5波は峠をこえましたが、今後も新たな変異株の出現などによる第6波の到来も予測されています。
ワクチン接種一本やりでは新型コロナ感染症の抑え込みはできないことは、国内外の事実が示しています。ワクチンと一体に大規模な検査を実施し、感染の鎖を断つことが必要です。
とくに新規感染が減少傾向となり、検査のキャパシティーに余裕が生まれている今こそ、陽性者の周辺へ迅速な行政検査を幅広く行うとともに、無症状者への大規模検査を行うことがいよいよ重要となっています。
22日の本部員会議では、感染への不安のある無症状の方に、インターネットでの受付と併せて県内9カ所の検査会場で検体採取を行い実施されている無料の「集中PCR検査」の期間を10月末まで延期されたことは評価しますが、それ以後も、恒常的に検査を継続すべきです。
発熱期を迎えるこれから、「いつでも、誰でも、何度でも、無料で」の立場で、更に、県内で大規模検査の具体化をはかり実施することを強く求め、補正予算に賛成する上での意見とします。
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9月県議会が終了しましたが、昨日は、「阿武風力発電所建設を考える会」などが萩市紫福に建設予定の変電所を環境アセスに含めるべきだとする要望書を村岡知事に提出し、同席しました。(この内容は、明日以降のブログで報告します。)
県民の要求あるところに、これからも積極的に出向いてまいります。
県政全般に対する要望・意見・情報などありましたら、本ブログのトップページの問い合わせからメッセージをいただけたらと思います。
総選挙も目前です。日本共産党と野党と市民の共闘の前進のために力を尽くしたいと思います。
今日は、今から、街頭宣伝に出発します。街角でお会いしましたら声をかけて下さい。
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