18日の毎日新聞は、米軍岩国基地の騒音状況について次のように報じました。
「岩国市は2020年度の米軍岩国基地の航空機による騒音発生状況をまとめた。市が騒音を測定している市内5地点全てで、18年3月に米空母艦載機部隊の厚木基地(神奈川県)から岩国基地への移転が完了後、騒音測定回数が前年度を始めて下回ったものの、移転開始前の16年度に比べ2倍前後の高い水準が続いている。市は『データを収集し、訓練の状況などを今後も注視していきたい』としている。市は、日常生活でうるさいと感じる70デシベル以上が5秒以上続く騒音を測定しており、20年度の測定回数が最も多かったのは、基地滑走路南側の尾津町がほぼ横ばいの9301回(19年度9308回)だった。北側の川口町が7820回(同8426回)で続き、基地から約10キロ南の由宇町港で4509回(同4871回)と、いずれも19年度を下回った。しかし、16年度と比べると、尾津町は約2.6倍、川口町で約2.3倍、由宇町港は約2.2倍と高止まり状態にある。市は前年度の測定回数を下回った要因の一つを、艦載機が空母に搭載されて洋上展開する前後の4、5月に、事前訓練を含めて集中する陸上空母離着陸訓練(FCLP)や空母着艦資格取得訓練(CQ)の方法が新型コロナウイルス対策により変更されたことにあるとみている。これまではFCLPは硫黄島(東京都)、CQはFCLP後に岩国基地を拠点に九州沖の洋上で実施されていた。しかし、20年はどちらもコロナ禍の影響で5、6月に硫黄島と付近の洋上での訓練となり、艦載機が硫黄島にとどまって岩国基地を離れる期間が長くなった。このため、事前訓練を含めた4、5月の測定回数が減少したという。その一方で、艦載機が洋上展開後に帰還した11月以降は測定回数が急増し、尾津町では12月~21年3月の測定回数は各月1000回を超えた。特に米空軍のステルス戦闘機F22ラプターが飛来した21年3月には基地の常駐機などとの活発な訓練がみられ、尾津町の測定回数は1746回と、10年5月の新滑走路の運用開始以降、月別当たりで最も多くなった。」
岩国市は「基地政策の基本姿勢」で、「基地機能が変更される際には、、その影響により、周辺環境が現状より悪化することとなる場合及び十分な安心・安全対策が講じられると認められない場合には、これを容認できないという立場を基本姿勢として堅持する考えである。」
山口県と岩国市は、この基本姿勢に照らして、空母艦載機部隊の移駐に関し「周辺環境が現状より悪化することと」ならないと判断し、移駐を容認した経緯があります。
しかし、この記事にあるように、昨年度は、新型コロナの影響があったので、前年度よりは、回数は減ったものの、空母艦載機移駐前の16年度と比べ2倍前後の高い水準となっている実態があります。
13日、最高裁は、岩国基地周辺住民が騒音被害を訴えた訴訟で、飛行差し止めは退けましたが、騒音被害については、約7憶3540万円を賠償するよう国に命じた二審広島高裁判決が確定しました。
これらの実態に照らして、空母艦載機移駐を県と市が検証する作業を行うべきです。
空母艦載機部隊移駐により「周辺環境が現状より悪化」したことは明白です。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
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