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原子力市民委員会が「燃料デブリ『長期遮蔽管理』」を提言

 4月5日、原子力市民委員会のオンライン企画「原発ゼロ社会への道」第三回を視聴しました。
 メイン弁士は、原子力市民委員会原子力規制部会の筒井哲郎さんでした。
演題は「燃料デブリ『長期遮蔽管理』の提言ー現実性のない取出し方針からの転換ー」でした。
 東京電力廃炉汚染水対策チーム事務局は、2019年に「福島第一原子力発電所の廃炉に向けた中長期ロードマップ改定案」を示し、今年12月から燃料デブリの取出しを始めるとしています。
 東京電力の「2019年度の連結業績予想」によると、デブリ取出しに着手するための支出は1兆3700億円です。また、東京電力は、燃料デブリの取出しが10年後の2031年末には終わらないことを明らかにしています。
 筒井さんは、次の点からデブリ取出しは困難だと指摘します。
 ①デブリはコンクリート層や鋼構造材と融合しているものが多く、全量を取り出せない。
 ②デブリを取り出したら核物質管理に関する査察を受けなければならない。微細な量まで管理できない。
 ③格納容器は80㏜/hの放射能が観測されている。200年後でも1.6㏜/hでとうてい人が近づけない
 ④本来アクチノイド核種はグローブボックスやホットセルの中でマニュピュレータを使って扱う。内部被ばく管理を厳格に行わなければならない。そのように厳しい作業は現実的に無理である。
 筒井さんは、燃料デブリの長期遮蔽管理を次のように提案しました。
 ①デブリ空冷化で汚染水増加を止められる。
 ②今、デブリの取出しを急ぐことは、サイト内に不安要因を作り出す結果になる。
 ③私たちの検討結果は、デブリを原位置で数百年の長期にわたって遮蔽管理を継続することが、最も安全で信頼性が高く、経済的な方法であることを示している。
 原子力市民委員会原子力規制部会は、4月5日発行で「燃料デブリの『長期遮蔽管理』の提言ー実効性のない取出し方針からの転換ー」とする特別レポートをまとめました。
 原子力市民委員会のウエブサイトに、この特別レポートがアップされています。詳しくは、このレポートを参照してください。
 この学習会で、原発事故が発生した原子炉の今の実態を深く理解することができました。
 原子炉は、過酷事故が起きれば取り返しのつかない事態に陥ることを改めて学ぶことができました。
 やはり、日本は、「原発ゼロ社会」を実現すべきです。
 引き続き、原子力市民委員会の連続オンライン企画を学んでいきたいと思いました。
 山口県に上関原発を設置させないために、引き続き、学んでいきたいと思います。
 原子力市民委員会のオンライン企画を視聴した皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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