昨日、NHK山口放送局は陸自自衛隊のオスプレイがアメリカ軍岩国基地に陸揚げされたことについて次のように報じました。
「千葉県にある自衛隊の駐屯地に暫定的な配備が予定されている輸送機のオスプレイは、14日、新たに5機がアメリカ軍岩国基地に陸揚げされました。今後、整備や試験飛行などを行い、来月上旬以降、千葉県に移される予定です。陸上自衛隊の輸送機オスプレイについて、防衛省は、千葉県にある木更津駐屯地に暫定的な配備を進めていて、予定している17機のうち最初の2機が去年5月、岩国市にあるアメリカ軍岩国基地に陸揚げされ、その後、駐屯地に移されました。防衛省中国四国防衛局によりますと、新たにオスプレイ5機がアメリカから海路で輸送され、14日、アメリカ軍岩国基地に到着したということです。5機は貨物船から次々と陸揚げされたあと、アメリカ軍の車両でけん引され、基地の施設に入ったものとみられます。基地に陸揚げされたオスプレイは今後、アメリカ軍が点検や整備、試験飛行などを行うことにしていて、中国四国防衛局によりますと来月上旬以降に順次、千葉県に移される予定だということです。一方、山口県や岩国市は先月防衛省に対し、安全対策に万全を期して住民への影響を最小限にするとともに、今後の陸揚げについては岩国基地での実施を通例としないよう求めています。」
2012年、米軍普天間基地に配備されるオスプレイが米軍岩国基地に陸揚げされる問題が浮上し、6月県議会最終本会議で「MV-22オスプレイの岩国基地への先行搬入に関する意見書」が全会一致で採択されました。
意見書は、こう指摘しています。
「岩国基地について、これまで、県及び地元は、これ以上の負担増は認められないとする基本スタンスのもと、国の外交防衛政策を尊重し、これに協力する姿勢で対応してきたところであるが、今回の国の一方的で唐突な説明は、県及び地元関係自治体との信頼関係を損ねるばかりか、地域住民に新たな不安と混乱を招くものであり、断じて許されるものではない。今回先行搬入が申し出られているオスプレイは、今年4月にモロッコで墜落事故を起こし、その事故原因も未確認の中で、国からの説明がなされ、かつ、その直後の6月14日には、米国での訓練中に同機種が墜落するという、あってはならない重大な事故が発生した。いずれの事故も、現時点では、原因も明らかになっておらず、国の安全性への説明についても、大きな疑念と不信を抱かざるを得ない状況にある。」
意見書は、次の点への国の対応を要望しました。
①岩国基地については、「これ以上の負担増は認められない」とする県及び地元の一致した基本スタンスを十分理解した上で、これを尊重した対応を行うこと。
②岩国基地への先行搬入については、事故原因の究明や安全性の再確認、配備先の関係自治体の理解を得るなどの条件整備をした上で提示されるべきであり、こうした条件整備がなされるまでは、岩国への先行搬入は進めないという姿勢を明らかにするとともに、その旨を米国政府に伝えること。その上で、岩国市をはじめ関係自治体住民に対する十分な説明責任を果たすよう努力すること。
県議会で意見書が採択されたにも関わらず、同年7月23日、岩国基地でオスプレイの陸揚げが強行されたことを受けて、同年7月25日、二井知事(当時)が県議会議長、岩国市長、岩国市議会副議長らとともに、森本防衛大臣(当時)らに対し、陸揚げに抗議し、5項目の要請を行いました。
昨年12月13日付、琉球新報デジタルには、2016年12月13日にMV22オスプレイが名護市に墜落して以降の普天間飛行場の所属機の主な事故やトラブルを掲載しています。
この資料によると普天間飛行場所属のMV22オスプレイの「墜落・不時着事故・緊急着陸」などが、2016年の名護市での墜落を含め、それ以降13回発生しています。落下物事故は、2018年2月9日の1回です。
山口県議会の意見書にあるようにオスプレイの安全性に「疑念と不信を抱かざるを得ない」状況は今日的に解消されていません。
なぜ、陸上自衛隊のオスプレイについて、米軍岩国基地の陸揚げが常態化しているのか、県や岩国市の疑問に、国は十分に答えているとは言えません。
山口県は、2012年に県議会の意見書が採択され、当時、県知事らが陸揚げに抗議の要請を行った経緯を振り返り、陸上自衛隊のオスプレイの米軍岩国基地の陸揚げが今後も継続することがないよう、地元岩国市と連携して、国に抗議の声を上げる時だと思います。
米軍岩国基地に、陸上自衛隊のオスプレイが再び陸揚げされました。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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