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宇宙軍拡進む 山陽小野田市宇宙監視レーダーの役割は

 14日のしんぶん赤旗日刊紙は、敵基地攻撃兵器の開発が進んでいるとして次のように報じました。
 「日本政府は『島嶼防衛のため』と称して、南西諸島地域に、違憲の敵基地攻撃兵器=『スタンド・オフミサイル』(長距離巡航ミサイル)の配備を計画しています。このうち、音速の5倍以上に加速する『極超音速誘導弾』の開発に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が組み込まれており、同機構の『軍事化』と、日本の『宇宙戦争』参戦の懸念の声が強まっています。防衛省によれば、極超音速誘導弾の研究協力に関して、2016年にJAXAと防衛装備庁が取極を締結。25年度の研究終了を目指しています。17~18年度にかけて、JAXA角田宇宙センター(宮城県)で、推進装置である『デュアルモード・スクラムジェットエンジン』の燃焼試験を実施。さらに、現時点では、『飛しょう体の各要素についての共通技術課題を段階的に解明している』としており、本体=『飛しょう体』の研究協力を行っていることを明らかにしました。また、極超音技術の研究には、装備庁の『安全保障技術研究推進制度』に基づき、岡山大・東海大も参加。敵基地攻撃兵器の開発への動員であり、重大です。極超音速兵器は米軍主導の『弾道ミサイル防衛』網を突破し、低高度を超高速で飛行して攻撃します。中国やロシアが開発を先行。米軍も開発を急いでおり『ミサイル戦争』の次代の主役といえます。ここに、日本が参戦しようとしているのです。自民党内からは『敵基地攻撃に転用しうる』との発言も出ています。超音速兵器の開発へのJAXAの関与が発覚したのが、19年11月の防衛装備庁シンポジウムでした。軍事研究に反対する『軍学共同反対連絡会』は同年12月、質問を提出。JAXAは翌年1月、『防衛省とは、法に定められた範囲で、双方に共通する要素技術課題についての研究協力を実施しています』と回答しました。政府はこれまで、1969年の衆院決議に基づき、宇宙政策を『平和利用目的』に限っていましたが、08年に宇宙基本法を作成して宇宙の軍事利用に道を開きます。さらに12年のJAXA法改正で『安全保障』の研究開発が追加されました。同連絡会の小寺隆幸事務局長はこう指摘します。『百歩譲って(専守防衛)は(法の範囲内)であるとしても、JAXAが研究する超音速エンジンが、島嶼防衛のためとしつつも他国の先制攻撃に使われる可能性がある以上、それを(専守防衛)のためという虚偽性は明らかです。敵基地攻撃能力保持論の本質は、北朝鮮や中国と米軍との間に軍事衝突が起きたときに、米軍と一体化して相手の基地に自衛隊が先制攻撃を行うことを想定したものであり、明確な憲法9条違反です。」
 14日付しんぶん赤旗日刊紙は、更に宇宙軍拡の動きを次のように報じています。
 「2003年のイラク戦争を前後して、米国は宇宙軍拡に本格的に着手。圧倒的優位性を確保しますが、ロシアや中国も参戦し、宇宙での軍拡競争が過熱していきます。宇宙を新たな戦闘領域と位置付けるトランプ前政権は19年12月、独立した軍種である『宇宙軍』を編成しました。これに追随する形で、航空自衛隊も20年5月、『宇宙作戦隊』を創設。『我が国の宇宙利用の優位を確保する』(防衛白書)としていますが、実際は宇宙空間における米軍の優位性確保の一端を担うことにあります。宇宙作戦隊の主要任務に位置づけられているのが、宇宙状況監視(SSA)です。宇宙空間では、運用を終えた人工衛星に加え、中国などの『衛生破壊実験』による宇宙ゴミが増加。これらが人工衛星に衝突しないよう監視するとともに敵対国の宇宙監視も行う見通しです。その背景には米国の要求があります。日本の宇宙政策の司令塔である内閣府は、『米国は安全保障や民生利用に資する宇宙インフラの共同利用を、同盟国・日本に期待している』と説明。日本は世界第4位の衛星保有国であり、その資源活用が狙われているのです。15年の日米新ガイドライン(軍事協力の指針)で、SSAの『協力強化』を明記。さらに19年4月の日米安全保障協議会(2プラス2)では、①日本の深宇宙(DS)レーダー開発②23年打ち上げ予定の準天頂衛星システムへの米国のSSAペイロード搭載ーなどを確認しました。②について、日米両政府はすでに実施細目取極を実質的に承認しており、日米のシステムが連接します。また、高高度を監視するDSレーダーが山口県山陽小野田市の海自山陽受信所跡地に設置される計画が進行。自衛隊初のSSA拠点となります。自衛隊にノウハウを提供しているのが宇宙航空研究開発機構(JAXA)です。防衛省は本紙の取材に、17年にJAXAとSSAに関する協力協定を締結し、同協定に基づき、航空自衛官1名が『知見を得るため』、JAXA筑波宇宙センター(茨城県)に常駐していることを明らかにしました。宇宙基本法の制定(08年)、JAXA法改定(12年)さらに『宇宙安全保障の確保』を第一に掲げた宇宙基本計画の改定(20年)は、こうした動きと軌を一にしています。JAXAは13年から始まった日米SSA協力に当初から参加。すでに、米国と同盟国の宇宙監視網の一部を構成しています。宇宙軍拡に警鐘を鳴らしてきた前田佐和子・元京都女子大教授は、日本が米国の『ミサイル防衛』計画に参加した2003年が転機だったとの見方を示しています。宇宙科学研究所(文部科学省)、宇宙開発事業団(科学技術庁)、航空技術研究所(同)が統合され、JAXAが発足したのがこの年でした。さらに12年、JAXAの所管が文科省から内閣府などのもとに移されます。『宇宙軍拡の体制を整えることが、内閣府の一元的管理を可能にする中央省庁の再編と結びついて進められた』。また、03年に米軍のGPS(全地球測位システム)衛星を補完する準天頂測位衛星の開発が開始されました。10年に『みちびき』初号機が打ち上げられ、23年度に7機体制となります。前田さんは、国産の長距離巡航ミサイル=極超音速高速誘導弾や、射程1000キロ以上が想定される12式地対艦誘導弾など敵基地攻撃兵器は、『詳細は不明だが、GPSや準天頂衛星が誘導する』と指摘します。一連の動きから『島嶼防衛』と称した南西諸島への『スタンド・オフミサイル』配備の深層は、米国の宇宙覇権を補完する動きであることがうかがえます。沖縄を宇宙戦争の実験場にするのか―が問われています。」
 米国に「宇宙軍」が編成され、自衛隊に「宇宙作戦部隊」が創設されました。米国の宇宙覇権を補完する自衛隊としての体制が整備されています。
 宇宙作戦部隊が行う宇宙状況監視(SSA)の拠点が山陽小野田市の深宇宙(DS)レーダーの整備です。
 前田元京都女子大教授が指摘するように、開発されていることが明らかになった国産の敵基地攻撃能力を誘導する衛生と自衛隊の「宇宙作戦隊」及び米軍の「宇宙軍」との情報を結ぶのが山陽小野田市のDSレーダーだと思われます。
 山陽小野田市のDSレーダーが日米の宇宙軍拡において重要な役割を担わされようとしています。
 私は、昨年9月県議会において、山陽小野田市の宇宙監視レーダーについて次の質問を行いました。
 「7月31日、山陽小野田市議会議員連絡会が開催され、我が党の山田伸幸市議の証言によると、参加した防衛省職員は、建設中の宇宙監視レーダーの任務について、これまで、宇宙ごみの除去としか説明してこなかったが、中国やロシアのキラー衛星の監視や米軍の宇宙軍に情報を提供することも任務に含まれると説明しました。県は、防衛省から宇宙監視レーダーの役割について、どのような説明を受けていますか、山陽小野田市議会議員連絡会で防衛省はどのような説明を行ったのか照会すべきですが、お尋ねしたいと思います。防衛省は、山陽小野田市の照会に対して、レーダーの設計が完了し、シミュレーションを行って、運用開始前に安全確認をした後に、改めて説明会を開催したいと説明しています。レーダーの任務の重大な変更が明らかになった今、県は、防衛省に住民説明会の早期開催を求めるべきですが、お尋ねをしたいと思います。」
 この質問に内海総務部長は次のように答えました。
 「まず、国からレーダーの役割について、県は、どのような説明を受けたのか、また、山陽小野田市議会議員連絡会で国がどのような説明を行ったのか照会すべきとのお尋ねです。宇宙監視レーダーの役割については、宇宙空間の安定的利用を確保するため、宇宙ごみや衛星の状況を監視するものと国から説明を受けています。また、国の山陽小野田市議会議員連絡会での説明に先立ち、事前にその内容について説明を受けていることから、県として、国に対し、改めて照会する考えはありません。次に、レーダーの任務に重大な変更があり、国に対し、住民説明会の早期開催を求めるべきとのお尋ねです。宇宙監視レーダーについては、衛星の監視等についても、当初より国資料において言及されており、その任務に変更があったものとは考えておりません。また、地元への説明については、国から、現在のレーダーの設計が終了しなければ、運用や影響などについて、具体的な説明ができないことから、レーダーの設計を終えた後に地元に対し、説明を行う旨聞いているところです。県としては、国の責任において、地元に対し丁寧に説明していただきたいと考えており、今後、山陽小野田市から要請があれば、連携して対応していくこととしております。」
 2月7日付山口民報で、山田伸幸山陽小野田市議は「山陽小野田市埴生地区に建設が進めらている宇宙監視レーダーをめぐり、今年早々にも設計書が仕上がってくるとみられており、その内容が注目されます。」と述べています。
 防衛省は、レーダーの設計書が仕上がったのなら、早急に、山口県や山陽小野田市と協議し、地元説明会の開催の協議を開始すべきです。
 防衛省は、住民説明会の中で、宇宙監視レーダーが米軍の「宇宙軍」への情報提供を行う任務を担っていることやレーダーの住民生活に与える影響などについて説明すべきです。
 改めて、山陽小野田市埴生地区に建設が進む宇宙監視レーダーについて皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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