昨日、日本共産党後援会で阿武・田万川のジオパークを散策しました。
山大名誉教授の君波先生と、宮内萩市議の解説を聞きながら散策しました。
最初に訪ねたのは、伊良尾火山観察施設です。
この施設が設置に至るには、県民の運動と萩市議会や県議会での質問がありました。
施設がある場所は、広域農道阿武北道路が横断しています。
農道のために掘られた法面に、火山活動の痕跡を残す地層が姿を現しました。
山口大学の永尾准教授(当時)が、この地層の意義を地域とともに明らかにして、この地層を残す運動を行われていました。
農道の工事は粛々と進み、火山の痕跡を残す法面は、ブロックで覆われる計画でした。
私は、永尾准教授や宮内萩市議と工事現場を訪ね2008年9月県議会で、伊良尾火山の痕跡を残す農道の法面の一部を保存するように以下の質問を行いました。
「阿武火山群の保全についてお尋ねします。この問題の発端も広域農道にあるわけですが、広域農道阿武北二期地区の工事現場で2006年12月、火山活動の痕跡を残す地層を山口大学の永尾准教授が発見されたことによります。私も先日現場を見てまいりました。岩盤に火山灰が谷に沿って曲がって堆積している様子がよくわかりました。そして、マグマのしぶきが空中で回転してできた火山弾が多数ありました。その一つが樹木型火山弾という、これです。永尾先生によると、『工事現場で露見している三十万年前の谷に空から降ってきた火山灰や火山れきがたまってできた地層は、阿武火山群でも全く見ることができないし、今後も現出することがないもので、山口県では唯一無二の地層である』こう語っていらっしゃいます。まず、農林水産部にお聞きしますが、こののり面工法について、「イラオ火山灰層のり面保護工検討協議会」で検討が行われているようですが、路面から五メートルのブロック積みは本当に行うのですか。今後、希少なのり面をどのように保護されるのか、お尋ねします。」
この質問に松永農林水産部長(当時)が次のように答えました。
「阿武火山群の保全に関するお尋ねのうち、希少なのり面保護等についてお答えをいたします。県では、平成18年12月に、山口大学の永尾准教授より、この地層が学術的に大変重要であるという報告を受けましたことから、昨年12月にその永尾准教授や県、萩市、阿武町で構成する『イラオ火山灰層のり面保護工検討協議会』を設置をいたしまして、地層の保存やのり面安定対策の必要性等について協議を行いながら工事を進めているところであります。現在、農道の安全性確保のため、路面から5メートルのブロック積みの一部を施工をしておりますけれども、今後の工事につきましては、ブロック積みの可否や希少なのり面の保存方法、さらには、安全な交通を確保するためののり面安定対策等について協議会で引き続き検討をしていただき、その結果を踏まえて工事を進めてまいりたいと考えております。」
その後、永尾先生と県と萩市と阿武町で構成する「イラオ火山灰層のり面保護工事検討協議会」での協議が重ねられ、今日の「伊良尾火山観察施設」として、法面の一部を見学できるようになりました。
火山弾の一部を檀上で示して質問した時のことを昨日のように思い出しました。
実は、この見学施設をじっくり視察することは今回が初めてでした。火山の痕跡を残す法面保存のためにお役に立てたことを誇りに思う後援会の散策でした。
火山の成り立ちが分かる地層について説明する君波山大名誉教授(左端)、解説を聞く私(右端)
私は、2008年9月県議会で、阿武火山群をジオパークに指定されるよう県の役割発揮について教育委員会に次のように質問しました。
「私は、のり面保護に限定せず、県として、この地層及び周辺の阿武火山群を含めた価値を検証する研究会を、関係市町も交えて設置する必要があると考えますが、お尋ねします。そして、イラオ火山の溶岩流が固まってできた龍鱗郷は「田万川の柱状節理と水中自破砕溶岩」として県の天然記念物に指定されています。私は、その源であるイラオ火山で発見された溶岩地層も指定すべきだと考えますが、お尋ねをします。そして、ユネスコは、こうした地質遺産を保全し、観光の対象とすることを通じて、地域社会の活性化を目指すジオパークを推進しています。この地域の世界ジオパークネットワークへの加盟に向けて、関係市町との連携を強めていくべきと考えますが、そのことをお尋ねして、私の第一回目の質問を終わりたいと思います。」
この質問に藤井教育長(当時)が次のように答えました。
「まず、研究会の設置による価値の検証についてでありますが、文化財の指定に向けた調査研究につきましては、県域全体での広域的な調査や重要性の高い文化財の調査は、県が直接行い、市町が管内で新たに発見した文化財の調査は、基本的には市町が行うこととなっております。このようなことから、お尋ねの研究会につきましては、まずは、地元萩市と阿武町が設置され、専門家の意見を聞きながら、天然記念物としての価値や指定の可能性について、研究していただくものと考えておりますが、県教委といたしましては、地元市町と連携し、研究会への参画、また、県文化財保護審議会委員などの専門家の意見も聞きながら必要に応じて支援をしてまいります。次に、ジオパークに係る市町との連携についてでありますが、ジオパークは、地質学的な価値の高いものを地域の活性化や観光などに活用するものであります。地元萩市と阿武町が研究会等で検討していただくものであると考えておりますが、県教委としても必要に応じて支援をしてまいります。」
永尾先生らが阿武火山群の意義を住民とともに明らかにし、県、萩市、阿武町が一体となって、この周辺をジオパークに指定しようという取り組みが進み、2018年に、この周辺が「萩ジオパーク」として日本ジオパークに認定されました。「萩ジオパーク」は引き続き、世界ジオパークに認定されるよう取り組みが進められているところです。
私は、「萩ジオパーク」へ向けて議会質問で少しだけお役に立てた幸せを感じた後援会の散策でした。
「萩ジオパーク」が世界ジオパークに認定されるよう、引き続き、私もしっかり発言していきたいと思っています。
引き続き、皆さんの県政全般に対するご意見をお聞かせ下さい。
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