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映画「おらおらでひとりいぐも」

 先日のNHKラジオ「らじるラボ」で、若竹千佐子さんのインタビューを放送していました。

 移動中の車中で聴いたので、後日、「聞き逃し」で何度も聴きました。

 若竹さんは、岩手大学教育学部卒業後、教員採用試験に5度失敗し、その後結婚し都心で暮らします。

 子育てをしながら、時折「悔しさ」が頭をもたげたと語ります。

 若竹さんが55歳の時に、夫が亡くなり、更に、「悔しさ」が倍増したそうです。

 子どもの頃から作家になる夢を持ち続け、夫を亡くした後、小説講座で学びます。

 そして、63歳の時、「おらおらでひとりいぐも」で、第54回文藝賞を受賞、同作で第158回芥川賞を受賞します。

 若竹さんの「悔しさ」を持ち続けながら、学び続けた生き様に感銘を受けました。

 55歳から本格的に小説を学び、芥川賞を受賞された若竹さんに、55歳の私は、大いに励まされました。

 そして、若竹さんの原作が、この程、映画化され、今上映中ということで、今日、下関市の映画館で沖田修一監督の映画「おらおらでひとりいぐも」を観ました。

 今年、一番、よく笑い、よく泣いた映画でした。一人でも多くの皆さんにこの映画を観ていただきたいと思います。

 よく笑った部分は、主人公の73歳の日高桃子さんの「寂しさ」を表す、3人の俳優さんの演技です。濱田岳さん、青木崇高さん、宮藤官九郎さんのコミカルさが、映画の幅を大きく広げています。

 よく泣いた部分は、桃子さんを演じた、田中裕子さんと蒼井優さんの演技でした。

 特に、桃子さんが、お婆さんとの思い出に浸るシーンは涙が止まりませんでした。

 私は、祖母にとてもかわいがられたので、自分の祖母の事を思いだしました。

 映画のパンフレットで、原作者の若竹さんが、「原作を通じて伝えたかったこと」を聞かれこう答えています。

 「たくさんあるような気もしつつ・・・最終的には『自由に生きればいいじゃない?』というところに帰結するんですよね。人それぞれ自分を束縛することなく、最期まで自由に生きようよ、と。愛か自由かの二択だとしたら、愛なんて蹴飛ばしてでも自由を選ぶ人でいたいですね(笑)。そこに尽きるのかなぁ。」

 小説も映画も、桃子さんの過去を反省し、未来に怯える、暗いテーマを描いているのだけれども、「未来は、決して悲観するだけのものではない。」とこの小説と映画から勇気を頂きました。

 勇気の源は、「自由に生きる」ということでした。

 映画の最後に、主題曲の「賑やかな日々」が心に染み入りました。

 「おらは ひとり 今日も ひとり でも おら 寂しくないのよ だってこの家は 寂しさで 賑やかだ おおぜいのおらで 賑やかだ」

 この言葉は、若竹さんの小説と沖田監督の映画を貫いているテーマのように感じました。

 これからも若竹千佐子さんの小説から学んでいこうと思います。

 そして、沖田修一監督の作品から学んでいこうと思います。

 若竹ファン、沖田ファンの皆さん感想をお聞かせ下さい。

 最近観られた映画の感想をお聞かせ下さい。

 やっぱり、映画は人生を豊かにしてくれる最高のツールですね。

 益々映画が好きになりった作品でした。ぜひ劇場でご覧ください。

 

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