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映画「罪の声」

 映画「罪の声」を観ました。
 この映画は、1984年から関西を舞台に起きた「グリコ・森永事件」をモチーフに描かれた作品です。
 私は、1964年生まれですので、大学生として愛知県で過ごしていた時期の事件です。犯人グループが「かい人21面相」を名乗り、連日、マスコミで放映されていた記憶が蘇ります。
 映画では、「ギン萬事件」とされています。
 食品会社を脅迫する際、指示する声として3人の子どもが利用されました。
 その一人が、星野源さんが演じる曽根俊也です。
 もう二人の子どもが辿った境遇を巡り物語が深まりを見せます。
 未解決事件を追う新聞の特集の担当になり、事件を振り返る記者・阿久津役が、小栗旬さんです。小栗さんは1982年生まれですので、もうすぐ40歳。若手俳優から中堅俳優へと着実に実力をつけている演技力を感じました。
 原作は、塩田武士さんによる同名の小説です。
 映画のパンフレットでこう述べています。
 「事件に『子どもの声』が関与していたというショッキングな事実もありました。関与した3人の子どものうち、いちばん下の年齢の子が、僕と同い年くらいなんです。僕は兵庫県出身ですが、同じ関西で生まれ育った子なら、どこかですれ違っているかもしれない。21歳のとき、このことに気づいて鳥肌が立ち、その子の人生を描きたいと思いました。でも、どうやって書けばいいのかわからなかったので、新聞社に入って修行したんです。新聞社で取材経験を積み、(小説家)デビュー直後に編集者にアイデアを伝えたところ、『確かに面白いけど、いまの塩田さんの筆力では書けない』と言われました。そこから8作を経て、ようやく9作目で書くことができました。」
 塩田さんが15年以上温めてきたモチーフが小説となり、映画となったのです。
 映画のパンフレットの「プロダクションノート」にこうあります。
 「塩田武士著、小説『罪の声』は、発売と同時に多くの映像関係者が映像化に手を上げた話題作。那須田淳プロデューサーは原作を読みながら、即座に阿久津
=小栗旬、俊也=星野源をイメージしたという。」
 原作の発売と同時に、映画化がスタートしたとは驚きました。
 映画のパンフレットで、脚本家の野木亜紀子さんは、こう語っています。
 「『罪の声』って、すごくマッチしたタイトルですよね。これしかない、っていうか。実際の事件に子どもの声が使われ、その子がいまどうしているのか、事件についてどう思っているのか。考えれば考えるほど切なくなります。この原作と出会うまで、そのことに気づいていなかった。事件当時、私も子どもでした。本人の意思と関係なく、犯罪に加担させられた子どもたちがいて、そういう意味では、ほんとうに罪深いことですよね。いまもきっと、そういうことはあると思います。大きな意味で、子どもたちにシワ寄せが向かっている時代。子どもたちの未来をどう守っていくか。そういうことを考えるきっかけにもなるといいし、伝わるといいなと願っています。」
 最近、「ヤングケアラー」が社会問題となっています。子どもたちが、家族の介護の中心を担っている実態が広がっています。
 児童虐待の増加こそ、「子どもたちにシワ寄せが向かっている時代」の象徴的な出来事です。
 脅迫犯の声を担った子どもの一人、生島総一郎役の宇野祥平さんの演技は圧巻でした。
 この映画をもとに、子どもたちの未来をどう守っていくか考えていきたいと思いました。
 引き続き、塩田武士さんの「罪の声」を読み進めたいと思います。
 今、映画館は、「鬼滅の刃」で大きく盛り上がっています。昨日も映画館は、大変な人が集まっていました。「鬼滅の刃」とともに、映画「罪の声」を是非、ご覧いただきたいと思います。映画の感想をお聞かせ下さい。

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