昨日、「『立憲主義』を考える山口県議会議員連盟」主催の学習講座が山口市内で行われました。
講師は、元防衛研究所所長・元内閣官房副長官補の柳澤協二さんです。柳澤さんは「陸上イージス・敵基地攻撃論と日本の安全を考える」と題して講演しました。
「立憲主義」を考える山口県議会議員連盟主催の学習講座で講演を行う元防衛官僚の柳澤協二さん
柳澤さんは、「安保法制から5年経過し、日米同盟が変貌した。一つは、集団的自衛権行使を容認し、米軍を守る一体化が進んだ。もう一つは、敵基地攻撃能力の保持を目指し、米国と攻める一体化が進んだ。」と語りました。
柳澤さんは、陸上イージスの断念について「ブースターの落下の修正に4000億円かかるからというが、それは、おかしな理由だ。本当の理由は、極超音速兵器への対応が出来ないことや、そもそも自衛隊から導入を求めたものではなくトップダウンによる導入であったことなどだ。」と話しました。
柳澤さんは、戦争をどう止めるかについて「対立があるから抑止力を強くする。そうすると相手も抑止力を強くする。これが安全保障のジレンマだ。抑止による平和から和解による平和を築く必要がある。和解による平和は、外交交渉が必要だ。政治の力が試される。これからは、戦争を選択する政治から平和を築く外交を行う政治を選択する時代だ。国民も試されている。」と語りました。
柳澤さんは、「私が防衛庁に入庁した時は、先輩は皆、戦争経験者で、『戦争はいけないものだ』という意識が共通していた。今は、それがない。」と語ります。
柳澤さんは、「アメリカに対して、何も言えない日本の姿が、防衛に悪影響を与えている」とも語りました。
長年、防衛官僚として活躍してきた柳澤さんの「戦争をどう止めるか」という講演は、説得力のあるものでした。
「和解による平和」を構築していく努力が必要だというお話に共感しました。
柳澤さんには、約4年前に宇部市で講演をいただき、その時も、私は主催者の一人でした。再び柳澤さんのお話を聞いて、これからも、大いに学んでいきたいと思える人物だと再認識しました。
今、前川喜平さんとの対談をまとめた「官僚の本分」を読んでいます。
柳澤さん、ご講演、ありがとうございました。
引き続き、皆さんのご意見をお聞かせ下さ
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