10月9日、中国新聞は、災害で避難を強いられた高齢者や障害者、子どもらを支援する災害派遣福祉チーム(DWAT)について、次のように報じました。
「災害で避難を強いられた高齢者や障害者、子どもらを支援する災害派遣福祉チーム(DWAT)をつくった都道府県が9月末時点で、岡山や島根、鳥取など7割の33府県に上ることが8日、厚生労働省などのまとめで分かった。東日本大震災をきっかけに生まれた組織で、その後相次いだ地震や豪雨を通じて災害弱者の早期支援が重大と認識されてきたことが普及の背景にある。DWATは、12日で上陸から1年となる昨年の台風19号や今年7月の豪雨でも活躍した。一方で、未設置は14都道県。福祉分野の慢性的な人手不足に加え、新型コロナウイルスが準備を妨げている現状も浮かび上がった。DWATは都道府県の研修を受けた介護福祉や保育しなどの専門職で構成。普段は民間施設で働き、災害時は都道府県から参加を要請される。5人程度のチームに分かれて主に避難所へ派遣され、相談業務や食事やトイレの介助、医療機関や介護態勢がと灯った福祉避難所への橋渡しを担う。今年2月に整備した石川県の担当者は『避難所での福祉的なニーズが高まっている』と説明。今年7月に発足させた佐賀県の担当者は『昨年8月に県内で起きた大雨で設置への動きが加速した』と話した。広島や山口など未設置の14道府県からは『新型コロナの影響で、人が集まる研修を拓けない』(北海道、宮崎県など)との声が相次いだ。さらに慢性的な人手不足から、介護施設などが職員をDWATに出すことに難色を示すケースもあるという。このほか和歌山県、広島両県は『既に同じような組織があり、新たにDWATを発足させるべきか検討中』と回答した。厚労省は今年3月の会議でDWAT設置状況を公表。共同通信はその時点で未設置だった都道府県に追加で聞き取りをし、9月末時点の状況をまとめた。」
厚生労働省社会・援護局長は、2018年「災害時の福祉支援制度の整備について」と文書を都道府県知事に発出しています。
この文書には、「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」が添付されています。
ガイドラインは、各都道府県に「一般避難所で災害時要配慮者に対する福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するとともに、一般避難者へこれを派遣すること等により、必要な支援体制を確保することを目的として、都道府県、社会福祉協議会や社会福祉施設等関係団体などの官民協働の『災害福祉支援ネットワーク』を構築する」こと等を求めています。
新聞報道の通り、9月末時点で、災害派遣福祉チーム(DWAT)が組成されていない山口県の状況を所管する健康福祉部に尋ねました。
担当者は「国のガイドラインに基づき、官民協働の『災害福祉支援ネットワーク』は構築されているが、災害派遣福祉チーム(DWAT)の組成には至っていない。引き続き、DWATの組成についてネットワークで協議を重ねていく。」と話しました。
災害はいつどこで起こるか分かりません。備えあれば憂いなしです。
県内で、一日も早く災害派遣福祉チーム(DWAT)が組成されることを望みます。
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