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ダムの「事前放流」に伴う損失補填制度創設へ

 台風10号の暴風雨が山口県内をおそっています。

 被害を受けられた方や避難所生活を送っておられる方に心からお見舞い申し上げます。

 毎日新聞は4日、台風10号に対し、国土交通省は、「九州などのダムで事前放流を実施することも明らかにした。」と報じました。

 私は、6月県議会で、県管理ダムの事前放流について次のように質しました。

 「山口県においても、県管理の二級水系で、事前放流に向けて、関係利水者と治水協定を締結し、事前放流を行える体制を整備すべき」

 これに、阿部土木建築部長は、「二級水系については、一級水系での取組を参考に、近年、甚大な浸水被害を受けるとともに、貯水容量の大きなダムがある水系から、関係利水者等の理解を得ながら、事前放流の実施に向け、治水協定を締結していく考えです。」と答えました。

 更に私は、「二級河川損失補填制度を作るのか、作る場合、国に財政措置を求めるべきだ」と質しました。

 これに、阿部部長は「国が4月に定めた事前放流ガイドラインでは、損失補填制度について『具体の手続きや算定方法については、別途、整理する予定』とされており、県としては、引き続き、損失補填制度の具体的な算定方法や国からの財政措置等、国の動向を注視してまいります。」と答えました。

 昨日のしんぶん赤旗日刊紙は、二級河川ダムの事前放流に伴う損失補填制度について次のように報じました。

 「激甚化する豪雨災害に対応するため、国土交通省は来年度、都道府県が管理する2級水系を対象に、ダムの貯水量を前もって低下させる『事前放流』に伴う損失補填制度を創設する方向で検討に入りました。国が管理する1級水系では同様の制度がありますが、2級水系でも事前放流がしやすい体制を整備し、洪水被害の防止を目指します。新たな制度の対象は、洪水対策を本来の目的としていない『利水ダム』。利水ダムでは、ためた水を水力発電に利用するほか、導水路などを使って水道、工業用水、農業用水を供給しています。利水ダムで事前放流を行った場合、降雨後に元の水位に戻らないと、発電量や水の供給量が減少するリスクが生じます。このため、電力会社などの利水関係者に対し、発生した損失を補填する制度を検討することにしました。財源は国と都道府県で負担する方向で想定し、詳細な枠組みは今後詰めます。近年の水害の激甚化を受け、政府は昨年12月、国や自治体が利水ダムの管理者や利水関係者との間で事前放流を実施するための協定を締結する方針を決定。このうち、1級水系では、国交省が今年4月、電力や水供給が減少した場合の損失補填制度を導入しており、6月までにダムのある全国の99水系全てで協定が締結されるなど、事前放流をスムーズに行うための補填制度の整備が求められていました。」

 私は、6月県議会で質問するにあたって、中国整備局の担当者から1級水系における「事前放流」のための治水協定について説明を受けました。

 この中で、事前放流後、想定した雨量が確保出来ず、利水者が損害を被った場合の、損失補填制度について説明を受けました。

 1級水系の損失補填制度は、国が財政措置をするとも説明を受けました。

 これから、2級水系で事前放流のための治水協定締結を進めるためには、2級水系での損失補填制度が不可欠であることが分かりました。更に、2級水系での損失補填制度の財政負担は、都道府県だけでは困難だとも感じました。

 このような思いから、私は、6月県議会で2級水系での事前放流のための治水協定締結のために、損失補填制度の創設と、制度運営に対する国の財政支出の創設についての再質問を行ったのです。

 しんぶん赤旗日刊紙が報じるように、2級水系に対して「事前放流」に伴う損失補填制度が創設され、財源を国も負担する制度となるなら、この点は評価したいと思います。

 国も財政措置を行う2級水系の事前放流のための損失補填制度の創設を飛躍台として、県内で激甚化する豪雨災害に対応するために、県内2級水系のダムで、一日も早く事前放流のための治水協定が締結されることを望みます。

 国が財政措置し、2級水系で「事前放流」を実施するための治水協定を締結するために損失補填制度が創設される方向としんぶん赤旗日刊紙が報じました。この問題に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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