山口大の現職研究者やOBで作る「イージス・アショア配備を考える山口の科学者」は、24日、藤道健二萩市長に「萩市イージス・アショア配備計画適地調査等検証有識者会議 山田正委員の『第三者性』の再検討」を要請する文書を提出しました。
提出された文書は、以下の通りです。
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2020 年3 月24 日
萩市長 藤道 健二 様
イージス・アショア配備を考える山口の科学者
共同代表 外山 英昭(山口大学名誉教授)
共同代表 増山 博行(山口大学名誉教授)
共同代表 君波 和雄(山口大学名誉教授)
萩市イージス・アショア配備計画適地調査等検証有識者会議 山田 正 委員の「第三者性」の再検討を要請します
萩市長におかれましては,常日頃萩市民の切実な声に耳を傾け,市民の基本的人権、安心・安全を最優先される市政を実行されていることに心から敬意を表します。
私たち、「イージス・アショア配備を考える山口の科学者」は,住民の声に真摯に応えることなく,イージス・アショア配備が行われようとしていることに,強い危惧を抱いております。また、配備にともなって生じると予想される電波や水資源の周辺住民と環境に与える悪影響をはじめ,防衛省から提出された報告書の多くの不備・問題点を指摘してきました。防衛省は、これらの問題提起に応えることなく,課題を積み残したまま,昨年12 月に再度適地であるとの結論をだし、「基本構想策定業務報告書」を公表しています.この12 月の「報告書」の提示をうけて、私たちは2 月中旬に疑問点や問題点を指摘した小冊子を作成・記者発表し、同時にそれを萩市長にも届けておりますので,ご覧いただけたものと存じます。
萩市は、市民の危惧に応え,安心安全を最優先する立場から,独自にイージス・アショア配備計画適地調査等検証有識者会議を設け,防衛省の調査結果の検証に踏み出しました。この英断に関しては,大いに評価させていただきます.検証有識者会議には、純粋に科学的・技術的見地から,偏向することなく評価を下すことが求められます。「萩市イージス・アショア配備計画適地調査等検証有識者会議設置要綱」にもそれが唱えられています。それが市民の利益,安心安全に資することにもなります。私たちは、上述の小冊子において、検証有識者会議が疑問・質問に明快に応えない限り,住民の不安を解消出来ないだろうと指摘して
おります。しかしながら、「検証有識者会議設置要綱」では原則公開を謳いながら第1 回で開会直後から座長の発議で非公開となりました。私たちは検証有識者会議のこうした運営方法や透明性,なかんずく委員選定過程に疑念を抱くとともに,今後の推移を危惧しております。
検証有識者会議の委員(座長に選任)の山田 正 中央大学教授は、かつて防衛大学に奉職(1981-1986)し,同大を転出後も同大の課外講演(2004 年)や防衛施設学会(防衛大学を卒業し,防衛大学に奉職をした方が会長)で特別講演(2016 年)を行っています。このように防衛省との結びつきが強い山田委員がどのような経緯で、防衛省の所轄する事業の検証有識者会議の委員として選任され、なおかつ全体をとりまとめる座長として選任されたのか、不透明です。この過程とともに同氏の第三者性に大いなる疑念を抱かざるをえません。
また、山田委員は,適地調査において地下水の解析に用いられているシミュレーションソフト(GETFLOWS)を創った会社(地圏環境テクノロジー社)の顧問をしていました。適地調査の報告書に掲載された地下水解析結果には明らかな間違いが認められ,GETFLOWSの信頼性に疑義が提示されています。また、山田委員は、近年、地圏環境テクノロジー社の社長・会長と協同研究を行っており、その立場を「第三者」と認めることはできません。
以上の通り、客観性・中立性が強く求められる検証有識者会議の委員として、山田委員は極めて不適切と考えられます。
そこで、藤道健二萩市長に下記のことを要請いたします。
記
「萩市イージス・アショア配備計画適地調査等検証有識者会議」山田正委員の「第三者性」を再検討する。
・・・
山田氏は、GETFLOWの顧問だけではなく、学会で同社と共同論文を発表しているとの指摘もあります。
萩市は、イージス・アショア配備計画適地調査等検証有識者会議の委員として山田氏がふさわしいのか再検証すべきです。
皆さんは、この問題をどのようにお考えですか、ご意見をお聞かせください。
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