しんぶん赤旗に1月からの民放ドラマの紹介が掲載されていました。
その中に、「病室で念仏を唱えないでください」がありました。
TBSのホームページからドラマの内容を紹介します。
「僧侶でありながら救命救急医でもある異色の主人公・松本照円(まつもと・しょうえん)の奮闘を通して、『生きることとは、そして、死ぬとは何か』を問う一話完結形式の医療ヒューマンドラマだ」
「『医師』として命をどう救うのか、『僧』として死をどう看取るのか。さらに、患者の家族までをも支えようとする松本が、悩みを抱えながらも医師として、僧として、人として成長していく姿を通じ、『生きる』とは、『死ぬ』とは何なのかを、もう一度考えるきっかけを与えるドラマになっている。」
主人公・松本照円を演じるのは、「海猿」シリーズなどで有名な伊藤英明さんです。松本と一緒に救命救急センターを支える医師の役が、中谷美紀さんです。
原作は、こやす珠世さんの同名の漫画コミックです。「ビックコミック」に連載中で、コミックスは6巻まで出ています。
仏教に関わりのある私は、TBS系で17日(金)の10時から始まるドラマをチェックすることは、当然ですが、原作も気になります。
今朝からコミックス「病室で念仏を唱えないでください」第1巻を読み始めました。
私は、浄土真宗本願寺派の門徒ですが、松本照円師は、真言宗系の僧侶であることがコミックスを読んでわかりました。
松本さんがこう語る場面が出てきます。
「仏の教えには、四苦っていうのがあってな。『苦』は苦しみのことではなく『生・老・病・死』の四つが、意のままにならぬ事をいう。つまり、病も死もいつかは受け入れなければならんという事なのだ。」
私は、お寺の法話の中で何度も「生・老・病・死」の四苦の事をお聞きしました。
宗派は違えど、同じ仏教なのだということをこのコミックスを読んで感じました。
表題の通り、松本は、同僚の医師から「霊安室以外で、念仏を唱えるのはやめてくれる?」と注意されます。
これに松本師は「お言葉ですが、お経は仏からのメッセージであります。死者を弔うだけのものではないのです。加えて、仏教は己の現実を見つめるものなのであります。気味が悪いという方がどうかしているのです。」と反論します。
キリスト教など他の宗教以上に仏教と言えば「死者を弔うもの」というイメージが強いのが現状です。
しかし、50歳を過ぎて、お寺の総代長となり、法話を聴聞する機会が増えるにつけ、松本師がいう「仏教は己の現実をみつめるもの」という意味が少しばかりか理解できる。
私の尊敬する念仏者である中島晃さんは、自著の中で、法然の思想を「12世紀末の日本で、貧困や格差に苦しむ人々の存在に目を向けて、その救済のために宗教者として何をなしうるかを考え抜いた」ものと評価しています。
「どうすれば仏になることができるのか」の方法の違いによって仏教でも宗派が分かれていますが、「仏になる」とは「よりよく生きる」方法を説いているものであり、よりよく生きるためには、「己の現実をみつめるもの」であることに違いありません。
先日のブログで全日本仏教会がヒバクシャ国際署名推進の訴えを出したことを紹介しましたが、全日本仏教会のヒバクシャ国際署名推進を知らせるホームページに「仏陀の和の精神をもとに仏教文化の宣揚と世界平和を願う立場」とありました。
決して、仏教が「死者を弔うもの」だけのものではないことが、この一文からも理解いただけると思います。
今月から、「病室で念仏を唱えないでください」をコミックスでドラマで楽しみながら、私なりに仏教と親しんでいきたいと思います。
そして、県議会環境福祉委員として救急医療の現場の状況についても学んでいきたいと思います。
コミックス「病室で念仏を唱えないでください」を読まれた皆さん感想をお聞かせ下さい。
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