環境福祉委員会二日目は、健康福祉部所管の問題を質疑しました。
環境福祉委員会二日目、健康福祉部の審査行う
私は、第一に、ハンセン病問題について質疑しました。
全国のハンセン病療養所への山口県出身者は、16人です。
私は10年以上前ですが、岡山県の長嶋愛生園を訪ね、山口県出身者の方とお話をした経験があります。資料館などを訪ねて、ハンセン病患者さんを強制的に施設に入所させた経過などを学びました。
ハンセン病の家族賠償訴訟などの関係で、今年は、ハンセン病患者さんと家族を取り扱った報道が相次ぎました。
その一つが、6月20日の読売新聞の報道です。実名を明かしている数少ない原告の一人が、北海道出身の原田信子さん。新聞はこう報じています。
「1951年4月、7歳の時だった。地域にはすぐに『ハンセン病の患者がでた』と知れ渡った。母は、親戚、近所付き合いを拒まれ、患者の家族という理由で、勤め先の海産物の加工場を解雇された。母は行商に出たが、母子は困窮した。食べる物がないとき、母は『死のう、死のう』といった。信子さんは怖くて『いやだいやだ』と泣いた。小学校は『そばに来ると菌がうつる』と級友に言われ、雑巾を投げつけられた。いじめが怖く、学校にいけなくなった。家の裸電球の下で一人泣いていた。」
県健康増進課のホームページに「ハンセン病を正しく理解しましょう」があります。この中に、「昭和6年(1931年)『らい予防法』制定」とあります。
この中に、「各県が競ってハンセン病患者をみつけだし、強制的に入所させるという「無らい県運動」も全国的に進められてきました。」とあります。
私は、無らい県運動に山口県はどうかかわり、今日的に、県は、この問題をどう整理されたのか質しました。
石丸健康増進課長は「2001年に、二井知事が、『山口県として、国の隔離政策に協力し、入所者の方々をふるさとから切り離し、深い苦しみを与え、差別と偏見を助長してきたことに対して心からおわびをしました。』とのコメントを記者会見で明らかにした。」と答えました。
それからも20年が経過しています。私は、県職員に対しても、このような歴史があったことをしっかり継承すべきだと要望しました。
11月15日に、「ハンセン病元患者家族に対する賠償金の支給等に関する法律」が成立し、11月22日に公布・施行されました。
私は、賠償金を家族に支給する上での県の役割を質しました。
石丸課長は、「県は制度の周知を関係者に行っているところ」と答えました。
私は、元患者の家族の方に制度をしっかり周知するよう要望しました。
次に児童福祉行政についてです。
今月2日の読売新聞の報道で、10月1日の時点で児童福祉司の増員が5割ほどにとどまっているとの報道がありました。
私は、国の対策によって4年で、山口県は何人の増員で何人体制になるのか質しました。
廣中こども家庭課長は「今年度当初は38名であり、56名の体制になる見込みだ」と答えました。
私は、4年間で目標通りの増員が確保される見通しか質しました。
廣中課長は「目標の増員に到達できるよう取り組む」と答えました。
委員会で「山口県社会養育推進計画」の素案が報告されました。
その中に「一時保護の環境及び体制整備等」があります。
その第一に「一時保護委託時の措置児童との混在回避のため、施設の意向も踏まえながら、民間の一時保護専用施設の設置について検討します。」とあります。
山口県内の一時保護所は、総合相談センター内児童相談部の1か所です。
児童相談部の一時保護所以外では、児童養護施設に一時保護委託されています。
一時保護所が複数設置されている都道府県も多く、私は、一時保護所の複数設置を過去の議会で指摘してきました。
この程、県が、民間の一時保護専用施設の設置を検討するとの見解を評価します。
私は、「県内の児童養護施設を持っている法人に、一時保護専用施設の設置を要請しているのか」と質しました。
廣中課長は、「それも含めて現在、検討しているところだ」と答えました。
私は、県央部には総合相談センターの一時保護所があるので、東西二か所設置するよう要望しました。
第三は、ひきこもり対策についてです。現在、県内にひきこもり地域支援センターが設置され、相談を受け付けています。
朝日新聞の調査では、47都道府県と20政令指定都市での調査で、32自治体が、ひきこもりの実態調査を行っているとのことです。
厚生労働省の調査では、49%に及ぶ全国23の都道府県で実態調査が行われています。
中国5県の状況は次の通りです。
岡山県では、平成22年に「ニート、ひきこもり等に関する実態調査」を行っています。
島根県では、平成26年に「ひきこもり等に関する実態調査報告書」をまとめています。
鳥取県では、平成30年度「ひきもりに関する実態調査報告書」をまとめています。
私は、「山口県でもしっかり実態を把握して対策を行う必要がある」と質しました。
石丸健康増進課長は「ひきこもり地域支援センターでの相談を通じた実態把握に努めていく。国や他の自治体の実態把握の取組を勉強していきたい。」と答えました。
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