議員日誌

上関原発用地の重要電源開発地点指定に関する質問に国が回答

 5月9日、「上関原発用地埋立禁止住民訴訟の会」は、経済産業省と原子力規制委員会に「上関原発用地の重要電源開発地点指定に関する質問」を6項目にわたって行いました。

 6月7日、経済産業省と原子力規制委員会から参議院議員会館で回答を受けました。

 この会合には、国会議員関係として、社会民主党の福島みずほ参議院議員秘書、日本共産党の仁比そうへい参議院議員秘書、立憲民主党のみやかわ伸衆議院議員が参加しました。

 県議会からは、国民民主党の戸倉議員、社会民党の中島・宮本議員、日本共産党の私が参加しました。

上関原発交渉

 左から私、中島県議、宮本県議、戸倉県議

 経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力基盤整備課の中村課長補佐らは、上関原発の重要電源開発地点について答えました。

 「上関原発は、重要電源開発地点として、事情の変化がないので有効である。」

 その一方で、中村課長補佐らは、「エネルギー基本計画に、原発の新設は明記されていない2030年の原発の電源ウエイトに上関原発は含まれていない。安倍首相は、『原発の新設は想定していない。』と発言している。上関原発は、原発の新設にあたると考えている。」などと答えました。

 参加者からは、「上関原発の国の電源としての位置づけがゼロであるのに、なぜ、重要電源開発地点として有効なのか。」との質問が相次ぎました。

 更に、中村課長補佐は、「重要電源開発地点の適合用件は、一つでも欠けると用件を満たさないことになる」とも答えました。

 私は、「用件に、『供給計画に計上されている』『環境影響評価法の手続きが終了している』『計画の具体化が確実である』『需給対策上必要である』などがあるが、どれも欠けた状態ではないか」と質問しました。

 中村課長補佐は私が指摘した点が「用件に欠けている」かどうかの言及はさけつつ、「解除するに至る事情の変化がない」との見解を繰り返しました。

 私は、「重要電源開発地点が解除されないことが、事業者の事業継続を証明する根拠となり、知事の公有水面埋立免許延長許可の根拠となっている。用件が欠けていることは明白であるので、経済産業大臣は、上関原発の重要電源開発地点を早急に解除すべきだ」と主張しました。

 原子力規制委員会原子力規制部審査グループ実用炉審査部門の正岡管理官補佐は、「上関原発の原子炉設置許可申請は、受理されている。」と説明しました。

 その一方で、正岡管理官補佐は「福島原発事故後の『新』規制基準に、新規原発の基準を作る必要性が議論されている。中国電力は、原子炉設置許可申請の『補正書』を提出する必要がある。『補正書』が提出されていないので、上関原発の国による審査は行われていない。」と答えました。

 参加者からは、「中国電力が国に原子炉設置許可申請を提出して約10年が経過している。国は一旦、申請を中電に返すべきではないか」などの質問が相次ぎました。

 私は、「原子炉設置許可申請が受理されたままの状況であることが、事業者の事業継続を証明する根拠となり、知事の公有水面埋立免許延長許可の根拠となっている。事故前の設置許可申請は、有効なものとは言い難い、一旦、申請書を中電に返却すべきではないか」と質しました。

 正岡管理官補佐は「申請は受理されたまま」との見解を繰り返しました。

 上関原発は国での取り扱いは、現時点でゼロであるのに、事故前の①電源開発地点②原子炉設置許可申請が有効であるとの姿勢を国が変更しないことにより、事業者の事業継続の根拠を与えています。

 その事は、知事の公有水面埋立免許延長許可の根拠ともなっています。

 中国電力が、原子炉設置許可を国から受ける見通しはありません。ならば、中国電力が竣工期限をつけて公有水面埋立の再延長申請をする根拠はないと言わざるを得ません。事業の見通しのない計画に知事は、免許を与えてはならないと考えます。

 経済産業省と原子力規制庁と県と事業者のもたれあいの構図が、今回の会合に参加する中で見えてきました。

 上関原発の審査は当面行われないという事実に立脚し、国は、電源開発地点と許可申請を一旦白紙にすべきです。

 皆さんは、この問題をどうお考えですか、ご意見をお聞かせ下さい。

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