議員日誌

沖縄の今

 昨日、日本共産党医療後援会で沖縄県知事選挙が目前となった沖縄の情勢についてお話をしました。

 私がお話した主旨は以下の通りです。

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 日本共産党の藤本一規です。今日は、沖縄問題について話すことになっています。
 翁長知事が8月8日に急逝されました。沖縄県知事選挙が9月13日告示、30日投票で行われます。日本共産党は、「オール沖縄」の一員として、知事選挙の候補者を選ぶ「調整会議」に参加しています。自由党の玉城デニー幹事長が明日、那覇市内で記者会見を行う出馬表明を行う見込みです。
 玉城氏が立候補すれば、佐喜真前宜野湾市長との一騎打ちになる見通しです。
 資料1は、2012年9月に沖縄県民10万人が集まって行われた「オスプレイ配備に反対する県民大会」の実行委員会と沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名で、2013年1月28日、安倍首相に提出した建白書です。
 建白書では、①オスプレイの配備を直ちに撤回すること、②米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念することが書かれてあります。
 この建白書には、那覇市長時代の翁長さんと宜野湾市長時代の佐喜眞さんがサインをしています。
 佐喜眞さんは、今回の選挙、建白書の立場を投げ捨てて、辺野古新基地建設推進なのに、争点をかくして、選挙をたたかおうとしています。
 玉城さんは、「希望の党」が出来た時も「国政でどんな流れがおきようと、自分はオール沖縄、建白書の立場で出馬する」と総選挙をたたかった方です。
 日本共産党は、オール沖縄の大義である。オスプレイ配備撤回、米軍普天間基地の撤去を実現するために、翁長知事の遺志を受けづく候補者が勝利するように力を尽くす決意です。
 まず、辺野古新基地建設の現局面についてみていきたいと思います。
 沖縄防衛局は、6月に「8月17日以降に土砂投入を始める」と県に通知しました。
 沖縄県は、7月27日に埋め立て承認を撤回する方針を公表し、8月9日に政府側の反論を聞く「聴聞」を行っています。
 政府は、県知事選挙の動向を見守るため土砂の搬入は中止しています。
 辺野古周辺の土地には様々な問題が存在しています。
 一つは、大浦湾側に軟弱地盤が深さ約40メートル続いているというデータが出てきたことです。専門家が「マヨネーズ層」と呼ぶほどの軟弱な地盤で、大掛かりな地盤改良が必要で設計そのものを変更しなければなりません。
 軟弱地盤の地盤改良となると設計変更申請を政府は沖縄県に行わなければなりません。国は、設計変更申請を出さないのは、翁長知事の存在があったからです。翁長知事の遺志を継ぐ知事が誕生すれば、辺野古新基地を止めることは可能です。
 資料2を見てください。大浦湾には、「名護・やんばるの地層」があり、「この地層は、2万年まえ以降にくり返し活動した、きわめて危険な活断層」です。
 国が、活断層の存在を隠して埋め立て申請を行ったとして、県は、この事実を埋め立て承認撤回に必要な「不利益処分の原因となる事実」にあたると判断しています。
 翁長知事の遺志を継承する知事が誕生すれば、必ず、辺野古新基地をストップさせることができます。工事で行き詰っているのは、政府です。
 沖縄を考える上で大きな二つ目の問題として重大なのは、「基地の存在と県民生活は両立しない」という問題です。
 資料3を見て下さい。沖縄県民への基地の存在による人権侵害の象徴的問題として、普天間第二小学校の存在があります。昨年12月に米軍普天間基地所属のCH53Eヘリの窓が校庭に落下した普天間第二小学校で、米軍機が学校上空一帯を飛んで児童が避難した回数は、校庭の使用を再開した2月13日から1学期終了の7月20日までに671回に上ったことが分かりました。一日平均4・2回となります。
 今こそ、普天間基地の閉鎖・撤去を求める建白書を実現する時です。そのためにも県知事選挙でオール沖縄の勝利が求められています。
 資料4は、地位協定の国際比較です。ドイツやイタリアでは、国内法の適用が規定されています。基地に対して、ドイツやイタリアでは、地方自治体などの立ち入り権が認められています、訓練についても、ドイツやイタリアでは、事前通知や同意が必要です。警察権も基地内で適応できます。
 沖縄の第三の問題は、基地依存が経済発展の最大の阻害要因となっている問題です。
 資料5は、沖縄子どもの貧困白書に寄せた翁長知事のコメントです。
 沖縄県の子どもの貧困率は29.9%で、全国の13.9%から大きく上回っています。翁長知事は、「子どもの貧困問題の解消、これをやらずして、沖縄の将来の希望はないと考えております。」とコメントしています。
 基地依存の経済が沖縄の発展を阻害していることが沖縄県の子どもの貧困率を全国平均よりも引き上げている原因となっていることは確かです。
 資料6は、基地がなくなった場合の経済波及効果についての資料です。
 那覇新都市地区では、経済効果が32倍、小禄金城地区は14倍、桑江北前地区は108倍、3地区合計でも28倍となっています。
 基地をなくしてこそ沖縄の経済発展が展望できます。
 資料7は、翁長知事の沖縄全戦没者追悼式での翁長知事の「平和宣言」です。翁長さんは「東アジアをめぐる安全保障環境は、大きく変化しており、先日の、米朝首脳会談においても、朝鮮半島の非核化への取り組みや平和体制の構築について共同声明が発表されるなど緊張緩和に向けた動きがはじまっています。平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場の唯一の解決策と言えるでしょうか。日米両政府は現行計画を見直すべきではないでしょうか。民意を顧みず工事が進められている辺野古新基地建設については、沖縄の基地負担軽減に逆行しているばかりではなく、アジアの緊張緩和の流れにも逆行していると言わざるを得ず、全く容認できるものではありません。「辺野古に新基地を造らせない」という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません。」と訴えました。
 資料8を見てください。これは、普天間基地の代替施設である。辺野古新基地の根拠を報じたものです。「普天間の海兵隊地上・航空部隊は朝鮮戦争の戦闘計画において決定的である」としています。
 つまり、アメリカは、在沖縄海兵隊の主要任務を「朝鮮半島有事」と認識しており、その中心が普天間基地と考えているのです。
 4月27日の南北首脳会談や6月12日の米朝首脳会談を踏まえ、53年以降は休戦状態にある朝鮮戦争が正式に終結すれば、新基地建設の根拠は崩壊します。
 日本共産党の志位委員長は、96周年記念講演会で、朝鮮半島で始まった平和のプロセスが成功したら、「世界史を前にすすめる一大転換点になる」「北朝鮮の『脅威』を口実にした『戦争する国づくり』の企ては、その根拠を失う」と述べました。
 資料9を見てください。
 「こうした状況が進展すれば、日本の情勢にも新しい大展望が開けます。日米安全保障条約と在日米軍ははたして必要か。その存在が根本から問われることになるでしょう。もともと日米安保条約は朝鮮戦争のさなかに結ばれたものです。1950年に朝鮮戦争が始まります。在日米軍が朝鮮半島に出撃し、日本全土が出撃・兵隊の拠点とされました。こうした状況のもとで、日本全土を使用するために結ばれたのが1951年の日米安保条約でした。日米安保条約体制は、朝鮮戦争のなかで生まれた体制だったのです。旧安保条約1条、現行安保条約第8条では『極東の平和と安全』のために日本に米軍基地をおくことができるとされました。その後、実際には、在日米軍基地は『極東』の範囲をはるかにこえて、ベトナム戦争、さらにアフガニスタン戦争やイラク戦争に投入されてきました。しかしあくまでも建前は『極東の平和と安全』なのです。その『極東』が平和になったらどうなるか。朝鮮半島が非核・平和の半島になり、さらに6カ国がTACを結んで北東アジア地域全体が戦争の心配のない平和な地域になったらどうなるか。日米安保条約と在日米軍ははたして必要なのか。その存在が根本から問われることになるでしょう。もういらないということになりますね。開始された平和のプロセスを成功させる、その先には、日本共産党が綱が日本改革の大目標としている『国民多数の合意で日米安保条約を解消し、本当の独立国といえる日本をつくる』という大展望がいよいよ開かれる」
 朝鮮半島の和平のプロセスが成功したら、沖縄の基地だけでなく、岩国基地やイージスアショアの根拠も消滅してしまいます。

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 昨日、正式に、オール沖縄の要請を受けて、自由党幹事長の玉城デニーさんが出馬する意向を表明されました。

 日本共産党は玉城デニー知事が誕生し、辺野古新基地建設が阻止できるように全力で奮闘する決意です。

 沖縄県知事選挙に対する皆さんも想いをお聞かせ下さい。

 また、引き続き、様々なテーマでお話をさせていただきたいと思います。

 藤本を囲む集いを開いてください。よろしくお願いいたします。

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