議員日誌

極上の孤独

 私も人並みにお盆は少しゆっくり過ごしました。家族や友人と過ごす時間の間に、下重暁子さんの最新刊「極上の孤独」を読了しました。

 下重さんの本は書店で何度も見ていますが、実際に読んだのは、この本が初めてです。

 まだまだ子育て真っ最中に私ですが、少しずつ、家族のために費やす時間が少なくて済むようになりました。

 後10年経てば、中二の長女も社会人になっている年です。

 10年後は、子どもに関わる団体などとの関わりも少なくなり、費やす時間も大きく変わっていることでしょう。

 この本の大きなテーマは「中年からの孤独をどう過ごすのか」です。

 私が心を打たれたのは「孤独と品性は切り離せない」という章です。

 下重さんは、冒頭でズバリこう書いています。

 「年をとるにつれて、だんだんいい顔になる人といやな顔になる人がいるが、その差は品性にあると思う。歳と共にその人の持っている内面が見事に表情にあらわれてくるからだ。」

 盆には、毎年、同窓会があり、多くの同級生や先輩後輩にお逢いします。

 年々、いい顔になっている人というのは確かにいるものです。

 下重さんは、次に、品とは何か。こう書いています。

 「お金があっても変えないし、体力があっても作ることが出来ない。精神的に鍛え上げた、その人にしかないもの。賑やかなものではなく、静かに感じられる落ち着きである。」

 「品とは恥の裏腹にある。恥とは自分を見つめ、自分に問うてみて恥ずかしいかどうかである。」

 下重さんは、その上で、恥と誇りとは表裏一体と言い、次のように書いています。

 「自分を省み、恥を知り、自分に恥じない生き方をする中から、誇りが生まれる。それがその人の存在を作っていく。そして、冒すことの出来ない品になる。いつも外へばかり目が向いていると、誇りも恥も生まれては来ない。黙ってじっと自分の内面と対峙している人には、外の人間が入り込めない雰囲気があり、それがオーラとなっている。」

 下重さんは、その上で、本書のテーマである孤独と本章のテーマである品との関係についてこう書いています。

 「品とは内から光り輝くものだと考えれば、輝く自分の存在がなければならない。自分を作るためには、孤独の時間を持ち、他人にわずらわされない価値観を少しずつ積み上げていく以外に方法はないのだ。」

 私は、小学校の通信簿に毎年「落着き」がないと書かれていました。

 私に「静かに感じられる落ち着き」が未だに育っていないことは自ら認めるところです。

 私は、このブログを、ほぼ毎日、10年以上、書き続けています。

 私にとって、ブログを書く時間が、自分と向き合う時間であることは確かです。

 来年の選挙に向けて、自分自身のための時間は、これから、益々少なくなってくる時期です。

 その中でも、孤独の時間を持ち、自分を見つめ直す時間を確保したいと思います。

 そして、自分の顔を少しでも内面から輝かせたいと思います。

 下重さんは、私の母と同世代の方です。

 五木寛之さんは父と同世代の方です。

 これからは、下重さんを母からの言葉と思い、五木さんを父からの言葉と思い、人生行路の参考書にしたいと思います。

 下重暁子ファンの皆さん、お勧めの本をお教え下さい。

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