議員日誌

日本軍兵士

 しんぶん赤旗日曜版(8月12日・19日合併号)に、吉田裕・一橋大学大学院特任教授のインタビューが掲載されています。

 吉田教授は、昨年末、「日本軍兵士-アジア・太平洋戦争の現実」を出し、発行部数14万部を超えました。

 私もこの本を読み始めているのですが、この本は、戦場での日本軍兵士たちの死を克明に追ったものです。

 吉田教授は、日本軍兵士の死についてインタビューでこう語っています。

 「第一に、異常に多いのは戦病死者です。戦争が長期化するにしたがって増大しました。中国に駐屯したある歩兵連隊の部隊史を見ると、44年以降の戦病死者はこの時期の戦没者の73・5%にもなります。その多くを占めるのが餓死です。軍人・軍属の戦没者230マン人のうち、栄養失調による餓死者と、栄養失調に伴う体力消耗の結果、マラリアなどに感染して病死した広義の餓死者の合計は61%=140万人に達すると推定されています。(藤原彰著『餓死した英霊たち』)第二に、極度の痩せや食欲不振、貧血、慢性の下痢になる兵士が多発しました。それらは栄養不足や戦闘による心身の疲労など、戦場の過酷さに起因するものです。日中戦争初期から『戦争栄養失調症』として知られていました。第三に、戦局の悪化に比例して精神病疾患は増大しました。とくに44年は前年の倍以上に跳ね上がっています。兵士の損耗を補充するため、日本の軍隊内には『弱兵』や『老兵』が急速に増えました。これに対し米軍の戦力は飛躍的に上がり、一方的な殺りくが展開されました。戦争そのものが凄惨になるにつれて、精神的に病む兵士が増えていくのです。このような『戦争神経症』は日本でも近年、研究が進みつつあります。」

 吉田教授は、この本の結論をこう語っています。

 「こうした日本軍の極端な人命軽視の体質が、多くの日本人の死者を生み、さらにはアジアの2千万の命を犠牲にしたのです。」

 その上で、吉田教授は、この本の意義をこう語ります。

 「全戦没者310万人のうち推定9割が戦争末期の44年以降、わずか1年間で亡くなっています。『日本軍兵士』を読んで初めてその事実を知ったという反応がかなりあり、戦場体験が継承されていないのではないかとショックを受けました。生身の人間が殺し殺される戦場の残酷さに目を向けなければ、自衛隊の海外派兵で何が起こり得るのかを想像する力は持てません。戦場の現実を前提にしないと、9条改憲をめぐる議論も非常に観念的になります。俳人であり、元兵士の金子兜太さんが繰り返し強調した『死の現場』を直視する必要があります。」

 今日は、父の13回忌で家族が集まります。

 1931年生まれの父は、終戦が14歳。志願兵ではなかったので、兵士ではありませんでした。

 私の祖父は、中国や南方の戦線に少なくとも二度、派兵されていると記憶しています。

 祖父は私が生まれた時には亡くなっており、我が家でも「戦場体験が継承されていない」状況です。

 それでも、私は、様々な戦場体験をこれまで聞く機会がありましたが、アジア・太平洋戦争が終結して73年になる今年。

 兵士として戦場を知っている人は、90歳代の人となります。

 直接、戦場を体験した方から経験をお聞きすることが難しい時代となります。

 だからこそ、「日本軍兵士」がベストセラーになっているのではないでしょうか。

 アジア・太平洋戦争終結73年の今年。「日本軍兵士」からしっかり「死の現場」を知りたいと思います。

 盆休みの期間中に、アジア・太平洋戦争にまつわる本を読んでいきたいと思っています。

 「日本軍兵士」を読まれたみなさん、感想をお聞かせ下さい。

 

 

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