議員日誌

政権への忖度強いる放送法4条撤廃

 安倍政権は、放送番組が「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」などを定めた放送法4条を撤廃するなどの「放送制度改革」を検討しています。

 日本共産党の山下芳生参議院議員は、昨日の参議院総務委員会で、1946年4月30日の日本放送協会の高野岩三郎会長「の太平洋戦争中のように、もっぱら国会権力に駆使され、いわゆる国家目的のために利用されることは、厳にこれを慎み、権力に屈せず、ひたすら大衆のために奉仕するこおを確守すべき」という就任の挨拶を引用し「戦前の放送の痛苦の反省がほとばしっている。この出発点をわすれてはならない」と放送法改変を行うべきではないと主張しました。

 中島岳志さんの「保守と立憲」の「空気と忖度のポリティクス」に戦前を生きた編集者・池島信平さんの文章が引用されています。

 「当時(戦前)の言論の急変化に対して、私はいつでも自責と無力感をもたざるを得ないが、もしこの勢力が外部だけであったならば、われわれはもっと哲徳これに対して反撥できたであろう。しかし内部からくる、なんともいえない陰惨な暗い影に対しては、自分ではどうにもできず、ただやりきれなさのみ残って、これと正しく闘うということができなくなってしまったことを正直に告白しなければならない。」

 中島さんは、この章の最後に中で「常に自己を客体視し、忖度する内面に敏感になることである。そして、他社による忖度に直面した時、その力に屈しないことである。全体主義は、大衆の熱狂によって蔓延する。長いものに巻かれてはならない。迎合してはならない。」と書いています。

 放送法4条の撤廃は、「政権を批判せず、自分たちに都合のいい番組を流したい」という安倍政権の思惑が透けて見えます。

 政権への忖度を強いる全体主義の時代に放送を戻してはなりません。

 放送法4条を撤廃しようとする安倍政権を皆さんはどうお考えですか。

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