9日の朝日新聞の「ひと」の欄に日本漫画家協会賞優秀賞を受けた武田一義さんが取り上げられていました。
「登場人物は3頭身だが、殺し合う場面や戦場を転がる遺体も出てきて、読後感はずしりと重い。第二次世界大戦中、南洋諸島のパラオで日本兵1万人が米軍と戦い、ほぼ全滅した。その激戦を漫画『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』で描き、今年度の日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。『かわいらしい柔らかな筆致で、戦争を恐ろしく、マンガとして面白く描いた』と評された。」
ウイキペディアで「ペリリューの戦い」を調べました。
アメリカ軍は、約40000人の兵士が投入され、戦死者2336人、戦傷8450人とあります。
アメリカ軍の戦死者の割合は約6%です。
一方、日本軍は、約11000人の兵士が投入され、戦死者10695人、捕虜202人、生存34人とあります。
日本軍の戦死者の割合は9割以上です。
武田一義さんの漫画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」は2巻まで刊行されています。
2巻の最後に現場で指揮を執る大佐が「この戦いは ただの島の支配をめぐるものでは フィリピン ひいては本土防衛までの時間を稼ぐ戦いである 我らの役割は少ない戦力で損害を押さえつつ出来るだけ長く敵の大軍をクギづけにすることだ 我らが稼ぐ一日一日で他方面の防備が強固になるならば いずれ全滅してそれがわれらの勝利である。」と語るシーンがあります。
兵士は、強烈な喉の「渇き」に苦しみます。
2巻に、米兵が取り囲む、水飲み場に、負傷兵が侵入し、全員が殺される場面が出てきます。
主人公の田丸が「お国を守るため死ぬ?少なくともここのみんなは- 水を飲むために死んだ 死にそうなくらいのどが渇いて でも水がなくて 水を手に入れるために死んだ」と語るシーンが印象的です。
朝日新聞の記事の最後に武田さんが「戦場には勇敢で立派な人だけでなく、普通の若者もいたことを感じてほしい」と述べています。
私の父は昭和6年生まれで兵役の経験はありません。
しかし、私の祖父は、中国や南方の戦場に赴いたことをうかがわせる写真が多数残されていました。
直接、戦争を経験した人からの発言が聞けなくなったこの時代、このように漫画で戦争のリアルを語ることは大いに意義あることだと思いました。
久しぶりに、じっくり向き合える漫画に出会えました。
南洋諸島での戦争についても学びたいと思いました。
武田一義さんの漫画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」。7月に第三巻が発売予定です。
今から楽しみです。
南洋諸島での戦争について、皆さんの想いをお教え下さい。
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