今朝の山口新聞は「下関市と北九州市を結ぶ第三の海峡横断郎ド『下関北九道路』に国が調査費として9年ぶりに予算を配分したことを受け、村岡嗣政知事は6日の定例記者会見で『既存の橋やトンネルが災害時に機能不全となっては困る。代替性をしっかり確保することが重要』と述べ、早期整備の実現に向け改めて意欲を示した」と報じました。
一方で、今朝の朝日新聞は「村岡嗣政知事が3月に公務で東京に出張した際、公務の一部を取りやめ県議らとの宴会に参加していたことについて、村岡知事は6日、判断に問題はなかったとの見方を示した。定例会見での説明によると、村岡知事は3月28日午後4時40分に石井啓一国土交通相と面会し、下関北九州道路の建設に関する要望をする予定だった。だが、石井氏の都合で午後7時に変更されたため、県議や県選出の国会議員らとともに午後6時半からの宴会に出ていたいという。」と報じました。
突然の日程の変更が国から提示されたとはいえ、「下関北九州道路」の早期整備に意欲を示す村岡知事の本気度が疑われる報道だと感じました。
根本的には、そもそも下関北九州道路そのものが本当に必要なのかが大きく問われなければなりません。
3月26日の山口民報の吉田県政策委員長による「県予算案の特徴と問題点」から引用します。
村岡知事は、新年度予算編成で、192億円の財源不足が生じ、歳入歳出を見直し、最終的には39億円の財源不足が生じたと説明しています。
財源不足解消のために、人件費の150億円縮減を持貴的に、600人以上の定員削減の給与制度の見通しが示されました。
吉田政策委員長は、「職員の長時間過密労働に拍車をかけるだけでなく、行政サービスの後退は避けられません。」と指摘しています。
歳出改革では、県有施設の移管や廃止が検討され、財源確保対策では、個人県民税や自動車税などの徴収強化が打ち出されました。
このような厳しい財政の中で、村岡知事が進めるのが「産業戦略推進計画」です。
吉田政策委員長は、「国際競争力強化のための港湾整備、高速道路網整備、工業用水道の各条などに巨額が投じられます。」と批判しています。
「やまぐち産業戦略推進計画」の内、港湾や道路網や工業用水道の整備に係る「瀬戸内産業再生戦略」に今年度600億円以上の投じられる一方で、雇用の創出や子育て環境など県民生活に密着した施策は、30億円弱にとどまっています。
国際競争力強化の美名の元、約600億円の県財政が新年度だけで投じられ、更に「下関北九州道路」の建設が本格化すると、取り付け道や、県事業負担金などいくらの巨費がかかるのか分かりません。
ここで青木理著「安倍三代」から、安倍寛さんが、国政に立候補するときのビラに書かれた言葉を再度引用します。
「若し政治と云うものが国民生活の安定、大衆の幸福増進と云う事を意味するものならば、現在の政治は決してよい政治と云うことは出来ないのであります。」
富国強兵・殖産興業と美名で、国民生活の安定や国民の幸福増進が後回しされた時代を彷彿させる今日の安倍政権の政治を山口県の具現化する政策をとり続ける村岡県政を象徴するのが「下関北九州道路」の整備促進と言わなければなりません。
国民生活の安定、国民の幸福増進の観点から、下関北九州道路の必要性を再検討する必要があることを私は指摘したいと思います。
下関北九州道路に国が調査費を計上し、山口県が促進しようとしています。
この事に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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