読売新聞の「戦後70年あの夏」という特集記事に私の敬愛する作家の一人である五木寛之さんが登場しました。
五木さんは、朝鮮半島の平壌で終戦を迎えます。
母が終戦の年の9月に亡くなり、父も茫然自失状態。長男だった五木さんが大黒柱として家族を支えます。
五木さんは、引き揚げまでの詳細を「エッセーでちょっとふれたぐらい」と述べます。
「『善き者は逝く』。だから、僕は、帰って来た自分を『悪人』だと思っている。」と語ります。
五木さんは、最後に語ります。
「子どもの頃から戦意高揚の歌に熱狂し、『神州不滅』を信じていたように、戦前・戦中の教育などで、お上の言い分に盲従する習慣にどっぷりつかっていた。それが『情報難民』を生みました。戦前も戦争も一日にして成らず、それが昭和ヒトケタ派の実感です。」
「いつの時代も情報は隠されるものです。だからこそ自分たちが隠されたものを探り当てる熱気がないと、生きていけない。戦争の教訓はそれにつきます。」
今、戦争法案をめぐって、「平和と安全を守る法律だ」「憲法に合致している」「後方支援だから安全だ」などの情報が政府から流されています。その中で、とりわけ若者が「お上の言い分に盲従しない」と自分たちの頭で事実を確かめ、「戦争法案反対」に立ち上がっています。
今を戦前にしないために、戦後70年の今年、五木さんの言葉を国民みんなで噛みしめようではありませんか。
最近、五木さんの本を読み直しています。今は、「蓮如」を再読しています。
五木さんの言葉が、心に沁みる夏です。
みなさんはいかがお考えでしょうか。
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