議員日誌

非正規労働者の権利実現全国会議IN山口

 本日、山口市内で、「非正規労働者の権利実現全国会議IN山口」が行われました。

 まず、「自動車メーカー・マツダの派遣切り裁判」についてマツダ事件弁護団の大賀弁護士が報告しました。

  マツダ派遣切り裁判の状況を報告する大賀弁護士

 マツダ派遣切り裁判は、マツダ防府工場に勤務していた派遣労働者・「サポート社員」が派遣切り・雇い止めになったため、マツダと黙示の労働契約の成立(期間の定めのない)を主張して、地位確認と賃金支払いを求めて提訴しているものです。

 原告15名の労働者は、マツダの指揮命令の下、防府工場で、自動車製造業務に従事していました。

 原告の労働者は、派遣労働者として働きながら、途中、サポート社員として有期直接雇用に切り替えられ、再び派遣労働者に切り替えが繰り返されていました。

 マツダは派遣労働者をランク付けしており、実質的に賃金を決定していました。

 大賀弁護士は、「マツダが実質上の使用者だったことは明らか」と語りました。

 マツダ訴訟の判決は、3月13日に山口地方裁判所で下されます。

 全国の非正規労働者の権利擁護のために、大いに注目される判決となります。

 次に、「労働契約法改正と非正規雇用の闘い」と題して萬井龍谷大学名誉教授が講演を行いました。

 労働契約法改正を生かそうと話す萬井名誉教授

 萬井名誉教授は、労働契約法改正によって、4月1日施行で①有期契約更新みなし制②無期契約への転換みなし制③有期、無期の労働条件の不合理な相違の禁止が創設されたことを指摘し、「この法改正を有期労働者・派遣労働者の権利擁護に生かしていく取組を強化する必要がある」と語りました。

 その後、「非正規労働が生み出す貧困及び格差社会」と題してパネルディスカッションが行わました。

 非正規労働の問題を議論したパネルディスカッション

 この中で、労働者自身に有期労働を求めるニーズがあるとの意見に対して、萬井名誉教授は「有期労働をニーズとしている労働者が存在するとは思えない。自分の能力を生かして、辞めたいときに辞める働き方は、無期労働でも可能である。」と話しました。

 また、国際競争力を向上させ、日本経済を復活させるために、労働者の有期化は必要だとの意見に対して、井下弁護士は「格差と貧困をなくすために、働くルールの確立が緊要だ。デフレ経済を脱却していくためにも、労働者の賃金を上げるなど、安定した雇用の確保が重要だ。」と語りました。

 私は、日本の未来のために極めて重大な議論に参加できたことを喜んでいます。

 非正規労働者の権利擁護のために皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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