松本清張の没後20周年ということで、作品のドラマ化が続いています。
先日は、「疑惑」「十万分の一の偶然」のドラマが放映されました。
年末に「熱い空気」が放映されます。楽しみです。
「十万分の一の偶然」は、「報道の使命と人命と、どちらがより大切なものなのか」がテーマです。
文庫の解説で宮部みゆきさんは「現代の私たちは、その気になれば誰でも山鹿恭介(報道カメラマン)レベルの撮影者・発信者になれます」と指摘し、秋葉原の無差別殺傷事件で一般の人々が撮影した現場の画像がネットで数多く発信された事実を取り上げています。
山鹿恭介は「悠長に待ってばかりいないで、機会をつくってしまおう」と事故現場の写真を公表しましたが、宮部みゆきさんは、「新たな煽動は、個別の権威を離れ、名指ししにくい存在に変わったことで、かえって危険度を増したといっていいでしょう。」と指摘しています。
その上で、宮部さんは、「その分、それに歯止めをかける社会的集合意識も強くなったし、発動され易くなっています。」と締めくくっています。
松本清張の小説は今も息づいています。
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