本日、岩国市で行われた平瀬ダム問題報告会に参加しました。
平瀬ダム問題報告会で発言する私(右)
平瀬ダム建設反対運動団体の吉村健治さんと私が報告し、参加者から活発な意見交換が行われました。
今日は、遅くなりましたので、全体の内容は明日報告します。
以下は、川づくり検討委員会の内容以外の私の発言趣旨です。報告します。
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これからは、平瀬ダムの問題点をいくつか指摘したいと思います。
日本共産党県議団は、2003年7月、国土問題研究会に依頼して、平瀬ダムの検証を行っていただき報告書をまとめました。
この中で指摘をしてある問題を紹介したいと思います。資料にあるように、錦川は、100年に1回程度の降雨により発生する洪水に対応するものとして、臥竜橋において、5300トン/sとしました。この5300トンを基本高水水量といいます。国土問題研究会の調査によると、この5300トン/sが過大ではないかと述べておられます。
既設の菅野ダムと生見川ダムの洪水調節計画を考慮すると4690トン/Sに減少させることになっています。
平瀬ダムによって4400トン/s減少させようとしているので、平瀬ダムの洪水調節効果は、4690-4400=290トン/Sになります。
平瀬ダム地点では、1500トン/sを700トン/sに=800トン/S減少させる計画であるが、臥竜橋地点での平瀬ダムの洪水調整効果は290トン/sに過ぎません。
錦川の基本高水水量は、5300トン/Sであり、この場合のカバー率は93%となっている。これを70%のカバー率にすると、4550トン/Sとなり、750トン/sもの差が生じます。菅野ダム・生見川ダムの計画高水流量は、4690トン/sです。この計画高を超える場合に、平瀬ダムは必要です。カバー率を70%にした場合は、菅野ダム調整後の最大水量が、基本高水を下回ることになるので、新たなダムは必要ないということになります。
この点について県は、①平成17年の台風は、5300トン/sだったこと②カバー率は、どこでも100%にしているなどの理由で、5300の基本高水は妥当だと言っています。引き続きの検証が必要です。
次は、平瀬ダムの洪水調節効果についてです。
1960トン/sの水が、700トン/sにまで低減できるとされています。つまり、1260トン/sもの洪水調節効果があるとしていますが、これは、ダムからの流入量がピークに達した時のダムから放出量です。ダムの最大流入量と最大放出量を比較すると1960トン/s-1310トン/sとなり、650トン/sしかカットできないという説明になります。
平瀬ダムが行政機関が言う通りの論拠でいいのか、引き続き専門家の意見を聞き、徹底検証する必要があると思います。
最後に、錦川に生息するオオサンショウウオについて報告したいと思います。
私は、県内でのオオサンショウウオ研究の権威である高川学園の村田先生に先日お話を聞きに行ってきました。
村田先生は、平成6年、平成16年、平成17年に、平瀬ダム錦川総合開発事業両生類生息分布調査をされた方です。
この3年に渡る調査により、ダム建設地周辺で繁殖地などは発見されませんでしたが、引き続き調査を継続すべきだと話しておられました。
また、錦川の関連工事で、長谷川に河川公園を作った際に、オオサンショウウオのために人工巣穴を作ったが、今は、水の上に出て効果はないと話しておられました。
先生のその後の調査で、2007年に、宇佐川で繁殖地が発見されました。山口県では、特別天然記念物には何もするなとの方針だが、他県のように、繁殖地を保護し、河川工事から守る対策を講じる必要があるとの指摘を受けました。
私が調べた範囲では、三重県が「オオサンショウウオ保護管理指針」を設け、更に、「河川工事を行う場合の整備方針」を設けていました。
鳥取県でも、オオサンショウウオ保護方針を設けて河川改修の対応方針も整備しています。島根県では、自然保護保全条例で、オオサンショウウオの保全地域を決め、河川改修を行う場合の指針を定めています。
オオサンショウウオは、特別天然記念物ですので、文化財保護法によって、河川工事を行う場合は、岩国市の許可を取る事になっていますが、岩国市も山口県もオオサンショウウオを保護し、河川改修でどのような配慮を行うべきかの指針を持っていません。
私は、県独自のオオサンショウウオ保護指針と河川工事を行う場合の配慮指針を策定するように強く求めていきたいと思っています。
平瀬ダム周辺には猿飛びの石庭などの景勝やオオサンショウウオなどの貴重な動植物が生息しています。
それらを保護していくためにも、平瀬ダムが必要なのか議論も大いに行う必要があると感じています。この点でも専門家の方々を交えた慎重な議論が必要です。
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遠い宇部からの来岩とご報告ありがとうございました。いよいよ平瀬ダム問題は大詰めです。地元の人も「道路さえできればダムはいらない」といっています。ダム建設利益共同体は「原発利益共同体」ほど世間に認知されていないため、闘いは大変ですが頑張りましょう。
by ひろし — 2011年10月15日 21:07 PM