議員日誌

愛しの座敷わらし

 ここ数日、萩原浩著「愛しの座敷わらし」を読んでいます。

 萩原浩さんの作品を本格的に読むのはほぼ初めてですが、一人一人人物の掘り下げが丁寧で、とても読みやすく面白く読みました。

 仕事に追われる父、晃一。主婦業をしながら鬱積が溜まっている母、史子。家族から痴呆を疑われている祖母、澄代。

 友だちづくりに悩む長女、梓美。喘息を克服したが体力が心配な長男、智也。

 家族がばらばらになっていましたが、父が東北地方の支店に転勤になり、古民家に住むことになり、家族の状況は一変します。

 そして、その家には、座敷わらしが。

 座敷わらしは、間引きされた子どもの化身だと言うこともこの小説を読んで分かりました。

 座敷わらしを取り巻いて家族が一つになる物語。この突飛さを当たり前のように私たちに語りかけるのが作家の力量でしょう。

 東京の大都会から、東北の田舎で暮らす家族。これまでの常識や価値観が本当に正しいのかを問う小説でもありました。

 東日本大震災で、効率一辺倒の社会の在り方が問われているように、この小説は、現代に警鐘を鳴らしていると感じました。

 この作品は、映画化され、来年ロードショーの予定です。父は水谷豊さんが演じるようです。その他の家族は誰が演じるのでしょうか。

 また、現れては消える座敷わらしがどのように映像化されるのか今から楽しみです。

 萩原浩さんの作品には、若年性アルツハイマーを取り扱った「明日への記憶」や、現代の少年が戦争中の社会にタイムスリップする「僕たちの戦争」などがあります。

 これらは、映像化されており、小説を読み、映像を見ながら、来年の映画を待つことにします。

 萩原浩ファンの皆さん。どの作品がおすすめですか。お教え下さい。

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