議員日誌

「図書館戦争」を読みながら考えています。

 有川浩原作「図書館戦争」を読んでいます。

 この作品は、テレビアニメ化されました。それがDVDになりレンタルされていますので借りてきて5巻全てを観ました。

 この作品は、表現の自由を侵害する「メディア良化法」が施行された近未来が部隊です。

 図書館は表現の自由を守るため図書隊を結成し、武装して法律の実行組織「良化特務機関」と戦うという内容です。

 私は、率直に申し上げて、表現の自由を守るために武装して戦うことに賛成ではありません。

 その上で、この本をめぐって書かれた藤間真さんの「『図書館戦争』における非暴力的戦いについての考察」は参考になりました。

 (この作品が)「『暴力的で現実の図書館経営とは無縁の娯楽小説』と断ぜられたり、『図書館の自由』に立脚した点のみが強調されたりしてきていると判断できる」

 「本稿においては、図書館戦争シリーズにおける非暴力的闘争について整理し考察を加えることを通じて、図書館の向上につながる色々な『戦い方』を分析する。」

 私は、この視点で、この本を読みすすめていきたいと思いました。藤間さんの考察を参考にしながらこの本を読み進めていきたいと思います。

 この作品がテレビアニメ化される時に、放映されなかった一話があることを、有川浩著「レインツリーの国」(文庫版)での山本弘さんの解説で知りました。

 それは、「恋の障害」というタイトルです。この一話に聴覚障がい者が登場するということが主な理由で、TV放映されなかったと山本さんは書いています。

 山本さんはこのことについて「いったい難聴者の出てくるエピソードをTVで放映することの何が悪いというのでしょう。それはまるで『図書館戦争』の中でメディア良化委員会がやっていることと同じではありませんか。」と語っています。

 発売されたDVDには「恋の障害」という一話は収録されていますが、レンタル版には収録されていませんでした。

 残念ですが、いつかこのDVDを見てみたいと思います。

 山本さんは「『図書館戦争』は架空の話ではありません。それはげんに今、現実のこの日本で起きていることなのです。」として、(メディアの)自主規制語(禁止語)の問題点を指摘しています。

 私は、この本に関連して、インターネットで、「『図書館戦争』は架空の話ではない」過去の事実を知りました。

 それは、山口県立山口図書館図書隠匿事件です。

 「ウィキペディア」には、この事件について「1973年8月に山口県立山口図書館で、反戦平和問題関連図書や左翼的図書など五十数冊が段ボール箱に詰められ、書庫に隠匿され利用できない状態におかれた事件」とありました。

 私の住む地元で、そして私の関わる県の図書館で過去このような事件があったことを知ったのもこの本と出会ったおかげでしょう。

 近未来が舞台で、設定は少々過激ですが、表現の自由を守る立場の者の一人としてこのシリーズを読み進めていくことにします。

 「図書館戦争」について皆さんのご意見をお聞かせください。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。