本日、日本共産党県委員会は、宇部市にあるNECセミコンダクターズ九州・山口(株)山口工場の派遣労働者解雇を中止させるよう求める要望書を山口労働局と山口県に提出しました。要望書提出には、吉田貞好党県国会議員団事務所長、五島博党北南地区委員長、時田市議と私が参加しました。
NECは、10月30日に景気悪化の影響で今年度の営業収益の予想の下方修正を発表しましたが、それでも1200億円の営業利益を見込んでいます。要請書は、「こうした事実は、人員削減の必要性もなければ、解雇回避の努力もされていないことを示している。」として、「同工でおこなわれている派遣労働者の解雇は明らかに無効」と指摘しています。
私たちは、具体的に、式会社アウトソーシング山口営業所からNECに派遣されている30代の労働者が、来年3月31日まで契約期間がありながら、来年の1月末で雇い止めされようとしている事実などを提示して、これは、労働契約法第17条1項の「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむをえない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」という規定に違反しているではないかと指摘しました。
その上で、山口労働局には、同工場の非正規労働者解雇の実態、すなわち①非正規雇用労働者数②そのうち解雇対象数③解雇者のうちの契約期間満了の更新拒否数と契約期間中の契約解除数、④雇用対策法第27条で定める「大量の雇用変動の届出」はいつだされたのか、を調査し明らかにすることなどを求めました。
対応した西方職業安定部長らは、私たちの申し入れに「派遣を受けている事業所や派遣会社に対して、国の指針が順守されるよう、指導している」「NECの派遣労働者の実態については、詳細をつかんでおらず、これから調査することになる。調査した情報は、企業が発表するかどうかは分からない。労働局として出せる情報に関しても守秘義務があるものがある」と答えました。
私は、国が11月25日時点の情報として発表した山口県で派遣の非正規労働者のが4か所の事業所で合計833名、雇止めされているという内容について質しました。これに担当者は、守秘義務を理由に、具体的な会社名などを明らかにしませんでした。
山口県は、工藤労働政策課長らが対応しました。「山口労働局に対し、同工場の非正規労働者の解雇をやめさせるための行政指導をおこなうよう求めること」などの要望に、工藤課長は、「これまで、マツダ・MCSには県としても企業に働きけを行ってきた。今後とも労働局と連携して適切な対応をしていきたい」「NECについては、企業が県への報告義務もないことなどから、現時点で県は状況をつかんでいない。必要な場合は、適切に対応したい」と答えました。
私は、「NECは、山口県が誘致した企業として県税が多く投入されてきた。このことからもNECの社会的責任の発揮を県は求める根拠はある」「マツダなどで、派遣労働の雇い止めをされた労働者がホームレスになるケースが生まれている。今後、市町や県がどのような対応をするか検討していく上でも、派遣労働者の雇い止めの数の把握は必要。労働局は守秘義務をかざして公表しない場合もあると言っているが、NECをはじめ雇い止めの実態を明らかにするよう労働局に働きけるべきだ」と指摘しました。
会社が数字を発表している派遣労働者の雇い止めの数は氷山の一角で、NECをはじめ県内の多く会社で派遣労働者の雇い止めが横行しているのではないかと危惧を抱く交渉となりました。
今回も申し入れは、マスコミ各社が取材に訪れ、雇用悪化の関心の高さを私自身痛感しました。
労働局への要望書を読み上げる吉田所長(左が私)
県知事への要望書を読み上げる吉田所長
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