山田洋次DVDマガジンVol.11「タウンタウンヒーローズ」を観ました。
この映画は、終戦直後の旧制松山高校を舞台にした物語です。
主演は、薬師丸ひろ子さんと中村橋之助さん。
薬師丸さんとは同じ年。88年の作品ですので、彼女24歳の時の作品です。
原作は、脚本家の早坂暁さん。彼の自伝的小説が原作です。
映画の中で、旧制山口高校と旧制松山高校が「インターハイ」を行う場面が出てきます。
マガジンの中で、「奇遇にも僕は、同時期に旧制山口高校の学生でした。当時、松山高校と山口高校は年に2度、野球の定期対抗戦を開催していました。」と語っています。
早坂さんの原作と山田監督の経験が、この映画の土台となっています。
私の父も、旧制高校に入学し、新制高校に移行した時期に学生生活を送っていたと生前私に話してくれました。
戦争が終わって、民主主義が花開く時代に、自らの人生を花開かせようとした父世代の方々の青春時代。彼らの沸騰するような青春時代に憧れさえ抱きながら映画に見入りました。
マガジンで、文化評論家の切通理作さんが、「ダウンタウンヒーローズ」について「バブルの絶頂期に響かせた『飽食の時代」への警鐘」と題する文章を巻末に寄せています。
切通さんは、「すまけい演じる教師の最後の授業での、『欲するものが手に入る時は警戒せよ』という言葉にもつながってくる。この言葉は、バブルの絶頂期だった公開当時の1988年を貫通し、現代にまで届く。」と述べています。
戦後すぐに、自由を獲得し、未来をきり開こうとした青年群像があったことを知ることは、現代の危険を察知し、それを乗り越える必要を教えてくれます。
「ダウンタウンヒーローズ」。山田監督の熱いメッセージを皆さんにも受け止めていただきたいと思います。
次回は、「虹をつかむ男」です。とても楽しみです。
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