今日、山田洋次監督50周年記念作品「東京家族」を観ました。
私は、この映画を観て亡くなった父のことを思い出しました。
地方在住という点でも、元教員だったという点でも、お酒好きだという点でも、私の父は、橋爪功さん演じる周吉そのものなのです。
妻夫木演じる次男の昌次と父とのぎくしゃくした関係が、私と父との関係によく似ていたことを思い出しました。
先日、手紙を整理していると、平成13年に投函された父からの手紙が出てきました。
手紙は、「酔って私に理不尽な言動をしてしまったことを詫びる」内容でした。
その時、父から何を言われたのかよく覚えていませんが、議員になった私に、父は酔うとよく絡んできたことを、この映画を観て思いだしました。
それでも家族、亡くなった今では、父にとても感謝しているし、いろんなことをもう少し話したかったと思います。
映画のパンフレットで横尾忠則さんが、「それぞれの人間がそれぞれの人生で『東京家族』の続編を一人ひとりが描いていけばいいのである」と述べていますが、私は、自分が昌次になったつもりで、私にとっての「東京家族」の続編を描いていました。
父の墓前で思い出話などしたくなりました。
この映画を観て父と同時に、母といろんな話をしたくなりました。
私が実家に帰ると母は、しきりに世間話をしたがります。
私は、テレビを観たり、新聞や本を読んだりしながら、母の話を心ここにあらずの姿勢でいつも聴いていた自分に気づかされました。
同時に、蒼井優演じる紀子を観ながら、妻への気持ちも感じることが出来ました。
自分勝手な私を、よく支えてくれている妻の姿に気づかされました。
そして、周吉の姿を通して、父としても私は、子どもたちにどう映っているだろうかということも感じました。
長女には甘いが男の子には厳しい私は、周吉の様です。
子どもたちを認める姿勢を周吉が紀子に語るセリフで学びました。
家族と社会を見つめ直す秀作でした。
この映画は、60年前に作成された小津安二郎監督の「東京物語」をモチーフにしています。
「東京物語」は、2012年に発表した世界の映画監督358人が投票して決めた映画で第一位に輝きました。
私は、「東京家族」を観終わった足で、ビデオショップに行き、「東京物語」を借りてきました。
明日は、世界の映画監督が最も素晴らしい作品として選んだ「東京物語」を自宅で鑑賞したいと思います。
今日は、夢に父親が出てきそうです。和やかに話ができることを願うばかります。
映画は、人生を豊かにしますね。山田洋次監督に感謝する一日です。
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