11日に行われた、山口県保険医協会の記念講演会で、全国保団連会長の竹田智雄さんから妊産婦医療費助成制度が全国で広がっていることをお聞きしました。
このことに関連して、2019年11月5日号、愛知県保険医新聞は次のように報じています。
「妊産婦医療費助成制度は妊産婦が費用の心配なく医療を受けることができるよう、窓口負担の助成をする制度である。全国的には、岩手県、栃木県、茨城県、富山県の4県で県制度として実施されているほか、市町村が独自の事業として取り組んでいる例も多くある。一方、愛知県内では東海市で産婦人科受診分を対象に行われているのみという状況である。同制度については、前回診療報酬改定で問題となった妊婦加算についての検証するなかで、社会保障制度審議会等でも改めてその重要性が指摘されている。日本産婦人科医会も『妊産婦の負担を軽減しながら、保険診療をより安全・安心なもの』とするために、同制度の創設と妊婦加算の復活を併せて行うよう求めている。同医会常務理事の谷川原真吾氏は、全国保険医新聞のインタビューで、『妊娠中には、(中略)産科的合併症だけでなく、全ての診療科領域の合併症(偶発合併症)を発症し得』るとして、歯科も含めた全科での対応の必要性を指摘しており、全疾患を対象とした助成制度が求められている。また、2018年12月に衆参両院で全会一致で成立した『育成過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律』(成育基本法)では、『社会的経済的状況にかかわらず安心して次代の社会を担う子どもを生み、育てることができる環境が整備されるように推進』することを基本理念として掲げている。この基本理念を実現するためにも、同制度に所得制限や窓口一部負担金を設けず、全ての妊産婦を対象に窓口負担無料で実施するべきである。協会地域医療部では、10月1日付けで同制度の創設と拡充を求めて県内全市町村に要望書を提出した。要望書では、①疾患や受診科目の制限がない妊産婦医療費助成制度を創設すること、②所得制限や窓口一部負担金は導入しないこと、③助成期間は母子保健法6条等で定める妊産婦の定義を踏まえ産後1年までとすることーを求めている。また、制度の必要性は全国共通であることから、『国による妊産婦医療費助成制度を求める自治体意見書採択』も求めて県内全市町村議会に陳情を提出している。協会では、今後も同制度の創設・拡充を国・県・市町村に求めていく。」
2023年8月24日作成の全国保険医団体連合会・地域医療対策部会が調査した結果、妊産婦医療費助成制度が、全国20道県、240自治体で実施されていることが分かっています。
また、引用した論文で全県実施の4県の他にも、青森県では、国保の場合、「妊産婦10割給付証明書」を発行し、全県的に助成制度を実施しています。
新潟県では、県による補助はないものの、県下全ての市町村で、妊産婦医療費助成制度を実施しています。
中国四国地方では、岡山県の矢掛町、愛媛県の伊方町が妊産婦医療費助成制度を実施しています。
少子化対策の一環として、山口県での妊産婦医療費助成制度の実現を求めて、今後、必要な調査や発言を行っていきたいと思います。
妊産婦医療費助成制度について皆さんのご意見をお聞かせください。
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