議員日誌

映画「一命」と「切腹」

 先日、映画「一命」を観ました。

 この映画の原作は、滝口康彦さんの「異聞浪人記」です。

 この原作で、1962年小林正樹監督映画「切腹」が製作されています。

 同じ原作で二度目の映画化となります。

 私は、DVDで、映画「切腹」も観ました。

 半四郎を「一命」では、市川海老蔵。「切腹」では仲代達矢。

 求女を「一命」では、瑛太。「切腹」では石浜朗。

 美穂を「一命」では、満島ひかり。「切腹」では岩下志麻。

 勘解由を「一命」では、役所広司。「切腹」では三国連太郎。

 「切腹」は、今考えてみれば、その後も大活躍した役者の方ばかりの配役でした。

 半四郎の同僚の息子が求女。後に、半四郎の娘美穂の婿が求女となります。

 つまり、半四郎と求女は親子関係になります。

 「切腹」では28歳の仲代達矢が半四郎を演じる。「一命」で半四郎を演じた市川海老蔵は今年34歳。

 どちらの半四郎も見応えのある演技でした。

 このようなどっしりとした映画を今後も作り続けてほしいと思いました。

 同じ滝口康彦さんの原作で小林正樹監督映画「上意討ち 拝領妻始末」(1967年)があります。是非、観てみたいと思います。

 原作者の滝口康彦さんにも興味が湧きます。

 講談社文庫「一命」の解説で、文芸評論家の末國善己さんによると、滝口さんは、尋常小学校を卒業後、様々な職業を経験しながら文学に取り組んできた方だということです。

 戦後は、炭鉱で働いていた滝口さん。「親類に共産党のシンパがいたことを理由に、レッドパージの対象となり解雇されている」ともあります。

 末國さんは、「滝口は、日本の繁栄が、弱者をかえりみないことでかろうじて成立している見せかけに過ぎないことを見抜いていたのではないか。だからこそ、組織に絶対服従を強いる武家社会をモデルに、組織と個人の関係を問う時代小説にこだわり続けたように思えてならない」と解説しています。

 今日から、県議会地域商工委員会の県外視察です。しっかり研修し、移動の交通機関の中で、滝口さんの作品としっかり対話したいと思います。

 水曜日には帰ります。明日のブログはお休みします。それでは、視察の報告をお楽しみに。

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