私は、西宇部校区人権教育推進委員を務めています。
18日に、原・黒石・厚南・西宇部校区の人権教育合同研修会が行われ参加しました。
講師は、現在、山口県立大学学長の江里健輔先生でした。
江里先生は、県立中央病院(現県立総合医療センター)の院長をされていました。
江里先生が院長時代、私は、県議会厚生委員会などでお世話になったことが想い起こされました。
江里先生は、「医療における人権を考える」をテーマに話をされました。
江里先生は、病者差別・人権侵害の歴史として①閉鎖病棟、隔離病棟②人体実験③薬害を挙げられました。
人体実験の内容として①九大事件②731細菌部隊を挙げられました。
731細菌部隊のことは、森村誠一さんの本などを数冊読み一定の知識はありましたが、九大事件については、十分な知識を持ち合わせていませんでした。
浅学を恥じ、熊井啓監督の映画「海と毒薬」を借りて先日観ました。
衝撃的な内容に私の目は映像に釘付けになりました。
九大事件はご存知の方も多いかと思いますが、概要を説明します。九大事件とは、戦争末期、アメリカ軍捕虜を九大医学部内で生体実験したとされる事件です。
先日、前衛9月号に掲載された一橋大学の吉田裕教授の「対米従属と戦争責任問題へのダブルスタンダードがもたらしたもの」と題する論文を読みました。
吉田教授は、戦争責任をめぐるダブルスタンダードを次のように説明します。
「対外的にはサンフランシスコ講和条約の第11条で東京裁判の判決を受諾するという形で最低限の戦争責任を認める一方で、国内的には、戦争責任をめぐる議論に関しては封印していくというものです。」
吉田教授は、最後に、「直接の体験と記憶とにもとづく歴史研究や歴史教育は、その基盤が大きくゆらぐ時代を迎えようとしているのです。そういうなかで、戦争を直接体験していない世代が、過去の戦争をどういう形で再認識していくのかが問われることになります。」「いま、サンフランシスコ体制を支えてきた歴史認識というものをあらためて検証し直す必要があると思います。」
私は、映画「海と毒薬」を観て、戦争中に、アジアだけでなく、アメリカに行った日本軍の行為を知る必要性を痛感しました。アジアのみならず、アメリカに対する戦争犯罪を日本は認めることを重要です。そのことを通じてこそ、アメリカが日本に行った原爆などの行為をしっかり批判できるのだと思いました。
戦後、68年。戦後世代の私たちは、もっと、もっと、あの戦争で何があったのかをとにかく知るべきだと痛感しました。
その一つ「九大事件」を教えていただいた江里先生に改めて感謝いたします。
遠藤周作さんの原作からも学びたいと思います。
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