9日、中国新聞は、「イージス・システム搭載艦」に関して次のように報じました。
「政府が、防空能力強化のため新造する『イージス・システム搭載艦』2隻について、当初案より小型化し、機動力を高める方向で検討していることが分かった。最大級となる巨艦のため、イージス艦8隻など他の自衛艦との連携や共同運用がしにくいとの批判があった。敵基地攻撃能力(反撃能力)にも転用可能な米国製長距離巡航ミサイル『トマホーク』の装着も視野に入れるなど多用途化する。複数の政府関係者が8日、明らかにした。新イージス艦は、2020年に政府が断念した地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』計画の代替案として建造される。当初案では弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮を想定して計画されたが、台湾情勢が緊迫する中、対中国で柔軟運用ができる希望が必要と判断したもようだ。導入を巡っては、政府方針が二転三転しており、経費肥大化を招かない計画の精査が求められる。関係者によると、海上自衛隊内で検討を重ねた結果、必要な防空能力を維持しつつ船体の大きさを縮小することが可能と結論付けた。最新鋭イージス艦『まや』(全長170㍍、幅21㍍、基準排水量8200㌧)に近い規模を目指す。迎撃ミサイル用垂直発射装置を改修して載せ、米国と購入に向けた調整が進むトマホークを発射できる可能性を付与する方向だ。防衛省は8月時点で、海自最大の護衛艦『いずも』に匹敵する基準排水量約2万㌧、全長210㍍以下、全幅40㍍以下で設計し、船体の揺れを減らして長期間の迎撃態勢を維持する方針だった。ただ大型化に伴い、航行速度が遅くなり、他の自衛艦と連携しにくい点が課題になったほか、防衛相経験者らから『巨額を投じて大型化したのに沈められた(戦艦大和)のようになりかねない』との指摘も出ていた。防衛相は、1隻目は27年度末、2隻目は28年度末の就役を目指す。23年度予算の概算要求では、金額を明示しない『事項要求』とした上で、船体の設計費とエンジン取得費を計上。地上配備型で使う予定だった高高度の弾道ミサイルを探知するレーダー『SPY-7』活用や、従来のシステムでは迎撃困難とされる極超音速兵器への対応能力の追加も図る。」
記事にある「2020年に政府が断念した地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』計画」はご承知の通り、秋田県と山口県に計画されていました。
地元の粘り強い運動によって、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画は断念されましたが、「イージス・アショア」に配備がされる予定だったロッキード・マーチン社の「SPY-7」を搭載した「イージス・システム搭載艦」計画が浮上して今日に至るのです。
防衛省は、イージス・アショアについて、我が国全域を最も効果的に防護できる配備先は、山口県の一部地域と秋田県一部地域だと述べていました。萩市周辺では、「イージス・システム搭載艦」が萩市周辺に配備されるのではないかと「イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会」を中心に、粘り強く防衛省との懇談が続けられています。
私が、冒頭の記事で、最も注目する点は、「敵基地攻撃能力(反撃能力)にも転用可能な米国製長距離巡航ミサイル『トマホーク』の装着も視野に入れるなど多用途化する」とある部分です。
地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画が浮上した時、日本共産党の宮本徹衆議院議員が、ミサイルは迎撃型だけではなく巡航型も装着される可能性があることを国会で指摘しました。
防衛省が、「イージス・システム搭載艦」に迎撃ミサイルだけではなく巡航ミサイルをも搭載できることを検討しているとの報道は極めて重大です。
憲法9条のある日本が巡航ミサイルを持つ検討に入ったことが極めて重大です。
岸田政権は、軍事費倍増と敵基地攻撃能力の保有に突き進んでいます。
日本が攻められてもいないのに米国と戦争している相手国を自衛隊が巡航ミサイルで敵基地攻撃することは先制攻撃そのものです。
日本は甚大な報復攻撃を受けることになります。
憲法違反の集団的自衛権行使で敵基地攻撃を行う巡航ミサイルを日本が持つべきではありません。
巡航ミサイルをイージス・システム搭載艦に搭載し、山口県近海を航行すべきではありません。
山口県近海が甚大な報復攻撃の対象になりかねない巡航ミサイルを搭載したイージス・システム搭載艦の建造計画は中止すべきです。
イージス・システム搭載艦に迎撃ミサイルだけでなく、巡航ミサイルをも搭載できる検討が開始されたとの報道がありました。
皆さんはこの問題をどう考えておられますかご意見をお聞かせください。
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