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日本看護協会から五輪に看護師派遣を要請された県看護協会は「応じられない」と回答

 5月16日(日)の毎日新聞は、東京オリンピック・パラリンピックの新型コロナウイルス感染対策について次のように報じました。
 「東京オリンピック・パラリンピックの新型コロナウイルス対策を巡り、大会組織委員会は、選手らが感染した場合の医療機関での受け入れを自治体に求めている。一部の県は『専用病床を求められた』といい、感染拡大が収束せずに入院が容易でない地域も生まれている厳しい状況から、組織委への反発が広がった。五輪競技が実施される10都府県に毎日新聞が取材すると、選手優先で医療の対応をすると決めた自治体はゼロで、一般住民と同じ扱いになりそうだ。『五輪選手の専用病床を用意してくれという打診があったようだ』『選手の優先は認められない。お断りさせていただいている』12日に茨城県の大井川和彦知事が定例記者会見で述べたこの発言をきっかけに、組織委が病床確保の要請をしていたことが一気に取り沙汰された。会見で大井川知事は患者急増に伴う大阪の医療崩壊などに触れながら『そういう状況で五輪を開催するのは恐らく日本だけでなく、世界の方にもあまり理解は得られない』と強調し、中止・再延長の可能性にも言及していた。茨城は五輪のサッカー会場がある。県オリンピック・パラリンピック課によると、4月下旬に組織委から『選手、関係者の新型コロナ患者の受け入れに特化した病院を指定したい」と相談があり、関連資料も示された。担当者は『専用病床の確保を求められたと理解した』といい、今後の選手らへの対応は『一般の方と同じ扱いになる』と強調した。組織委によると、東京大会では都内外30カ所を目標に確保する『大会指定病院』にけがや病気になった選手、関係者を受け入れてもらう計画だ。ただ、新型コロナの感染拡大を踏まえ、感染した選手らを指定病院で診れなくなった場合の対応などを念頭に、五輪競技が行われる東京、茨城、埼玉、福島、神奈川、宮城といった自治体に相談を持ちかけたようだ。」
 「組織委は選手村がオープンする7月中旬までに大会指定病院の確保を目指している。国内で新型コロナの収束が見込めない中、ある幹部は「IOC(国際オリンピック委員会)からは、(決まったところにアクセスできるようにしてほしい)と言われている』と漏らす。一方、宮城県の担当者は『選手についても通常の医療体制の枠組みの中で対応するということを組織委は相手国に事前にきちんと伝えてほしい』と注文した。」
 5月16日しんぶん赤旗日刊紙は東京五輪のサッカー競技場での看護師の確保状況について次のように報じました。
 「東京五輪のサッカー競技場、茨城県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)や練習場で医療ボランティアとして活動する予定だった看護師の7割が欠員となっていることが15日までに、茨城県看護協会(水戸市)への取材で分かりました。競技会場でのボランティアの看護師は2018年7月に県看護協会を通じて要請を受けて募集したもの。当時、応募した看護師は41人。ボランティア内容はカシマサッカースタジアム内の観客対応と練習場3カ所の救護活動です。組織委は、4月9日付で日本看護協会に五輪大会中の看護師確保を依頼。同看護協会は4月20日、県看護協会に五輪大会中『看護師を新たに10人以上確保』することを求める文書を送りました。同22日、県看護協会は、『新たに10人以上確保』するとした要請は、2018年の募集と『別の依頼』なのか組織委員会に質問。組織委から『エントリーした41人中13人には協力の了解を得ている』と回答があり、7割が欠員となっていることが判明しました。県看護協会は欠員28人について『欠員になった状況は分かるが辞退したのか、連絡がとれなくなったのかなど理由の詮索はしていない』と話します。同協会は同26日、『協力できる看護職の数を回答するのは難しい状況』との見解を日本看護協会に送りました。」
 私は、17日、日本看護協会に、山口県看護協会に対して、五輪大会中の看護師を何人確保するよう要請したのか電話で問い合わせました。日本看護協会の担当者は「それぞれの看護協会に何人の要請を行ったかについては明らかにできない。」と答えました。
 私は、18日、山口県看護協会に対して、日本看護協会から五輪看護師の派遣を何人受けたのか質しました。
 私の「大会組織委員会から県内のキャンプ地での医療体制確保などのため、看護師派遣要請はあったか。」の問いに、山口県看護協会担当者は、「ない。」と答えました。
 次に、「日本看護協会から山口県看護協会へ東京五輪に関わる看護師派遣要請はあったか。」の問いに、山口県看護協会担当者は「4月に日本看護協会から看護師派遣要請があった。要請に対し、4月中に『山口県内でのコロナ感染の現状などから看護師派遣は難しい』と日本看護協会に回答した。」と答えました。
 昨日行われた第22回山口県新型コロナウイルス感染症対策本部本部員会議で、5月18日の病床確保使用率が74.6%で、50%以上はステージ4であり、「医療供給体制へ負荷が増大している」との現状認識が示されました。
 このような状況の中、山口県看護協会が判断されたように、東京五輪のためにとても県内の医療体制を提供できる状況ではありません。
 17日、NHKはスポーツの全国ニュースで、「東京オリンピック・パラリンピックでは、海外選手の事前合宿や交流を行うホストタウン事業に全国の自治体が登録し、そのほかにも事前合宿を個別に予定している自治体」があるとし、それら自治体に取材した結果を次のように報じました。
 「NHKが全国の都道府県などを取材したところ、これまでに、▽事前合宿を中止した国や地域がある自治体は48▽交流を中止した自治体は4などと、27の都道府県の54の自治体が感染拡大の影響で受け入れを中止したことがわかりました。▽事前合宿の中止を打診され最終調整中が3自治体となっています。」
 山口県内のホストタウンやキャンプ地に登録している自治体で合宿や交流の中止に至ったケースは現時点ではないようですが、今後の状況について、県観光スポーツ文化部を通じて、報告を依頼しています。
 詳しい状況が分かり次第、本ブログで報告したいと思います。
 陽性患者さんへの対応、ワクチン接種、大規模なPCR検査への対応など、山口県でも全国でも国民や県民の安全・安心を守ることと、五輪開催が両立できない状況になっています。
 村岡知事に改めて国に五輪中止を求めることを要請したいと思います。
 東京五輪開催についての皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
 

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