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映画「はりぼて」

 福岡市のKBCシネマで映画を観た際、映画「はりぼて」を知りました。

 コロナ感染症の拡大の中で、福岡市に行くことは叶いませんでした。

 YCOMシネマで映画「はりぼて」を上映とのことで、今日、観ることが叶いました。

 映画パンフレットの「解説」から本作品の概要を紹介します。

 「『有権者に占める自民党員の割合が10年連続日本一』である保守王国、富山県。2016年8月、平成に開局した若いローカル局『チューリップテレビ』のニュース番組が『自民党会派の富山市議 政務調査費事実と異なる報告』とスクープ報道をした。この市議は『富山市議会のドン』といわれていた自民党の重鎮で、その後、自らの不正を認め議員辞職。これを皮切りに議員たちの不正が次々と発覚し、8カ月の間に14人の議員が辞職していった。」

 この映画の監督は、この事件を追った二人の記者、五百旗頭幸男さんと砂沢智史さんです。

 映画のパンフレットでTVキャスターの金平茂紀さんは、次のように書いています。

 監督の一人である砂沢さんは、映画パンフレットで映画製作の意義を次のように語っています。

 「『はりぼて』で描いたのは『人間の弱さ』です。絶大な権力を振るった市議会の『ドン』は、辞職後に自らの不正を告白します。『遊ぶ金が欲しかった』その告白は生々しいものでした。高い志を持って政治家になっても、組織の倫理に押し流されてしまう現実もある。市民から見られている緊張感がなければ心は緩み、甘えや驕りを生む。地方議会への関心を高め、市民生活の向上につなげたい。この映画がそのきっかけになればと願っています。」

 私は、地方議員を30年務めた者として、「心の緩み」を質す必要性を痛感しています。

 砂沢記者の真実を知りたいとひた向きに取材する姿勢に敬服しました。

 私はこの映画を観て、A記者の姿を思い起こしました。

 2018年7月4日の私のブログ記事に経過を詳しく書いていますが、私は、2011年に行われた二巡目の山口国民体育大会に向けて国体強化選手に関する質問を2009年6月議会から行いました。

 その結果、日本体育協会は、2010年9月、山口国体の強化選手となっている県外出身選手に参加資格があるのか調査する第三者委員会を立ち上げ調査を行いました。

 第三者委員会は、前年千葉国体に出場していた山口県選手35人が参加資格を満たしていないことを指摘しました。

 2011年2月、日本体育協会は、従来あいまいだった参加資格の基準を居住や勤務実態で明確化することを決めました。

 日本体育協会が第三者委員会を開催したことは、私の17年の県議会議員生活の中でも忘れることが出来ない出来事です。

 日本体育協会が第三者委員会を開催した背景には、少しは私の質問もあったと自負していますが、あるマスコミのA記者が精力的にこの問題を告発したことがあったことは明らかです。

 この映画を観ながら、国体問題でA記者と情報交換をしていた時のことを思い出しました。

 映画のパンフレットでTVキャスターの金平茂紀さんはこう書いています。

 「この映画で最も痛切に僕に突き刺さってきたのは、この小山市議会政務活動費事件の報道に関わった記者たちがその後たどった『組織人』としての運命である。砂沢記者は、報道局から異動となり社長室兼メディア戦略室へ。五百旗頭キャスターは苦悩の末、別の県の別系列のテレビ局に移籍した。(中略)記者たちのたどったそれぞれの運命を作品のなかに入れ込んだ勇気と決意に敬意を表したい。京極優花記者ら、必ず彼らの仕事はあとの世代に引き継がれていくだろうという勇気を捨てることはできない。たたかう君のうたを たたかわない奴らが笑うだろう。ファイト!」

 この映画を観終わって、帰路のラジオから、桜を見る会問題に関する安倍前首相の衆議院議会運営委員会での質疑の様子が流れてきました。

 富山市議会議員の中には起訴され有罪となった議員もいますが、多くの議員が不正が明らかになった段階で、辞職しました。

 疑惑を前に自民党の富山市議のありのままの姿と判断を映画館で観た直後に聞いた安倍氏の説明は納得できるものではありません。

 前自民党総裁として安倍氏は、けじめをつける時だと感じました。

 映画「はりぼて」の山口県内での上映は、明日午後を残すのみとなりました。

 一人でも多くの方にこの映画を観ていただきたいと思います。

 

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