議員日誌

流浪の月

 本屋大賞2020を受賞した凪良ゆう著「流浪の月」を読みました。

 本屋大賞は、毎年チェックしているのですが、久々に大賞作品をじっくり読みました。

 過去の大賞作品でじっくり読んだ作品は、2004年の小川洋子著「博士の愛した数式」。2008年伊坂幸太郎著「ゴールデンスランバー」。2009年の湊かなえ著「告白」。2010年の冲方丁著「天地明察」。2012年の三浦しをん著「舟を編む」。2016年の宮下奈都著「羊と鋼の森」です。

 ここで挙げた全ての作品が映画化されており、それぞれの映画もヒットしました。

 関係者の皆さん是非、「流浪の月」も映画化していただきますようお願いいたします。

 「流浪の月」は、「流浪」の名の通り、主人公の更紗が流浪していくロードムービー作品です。

 小説の序盤で、「少女誘拐事件」が発生します。

 事件を追った作品といえば薬丸岳の「友罪」や角田光代「八日目の蝉」などを思い出します。

 これらの作品は、事件に関わった被害者や加害者や周辺の人々の心理を見事に描いた秀作でした。

 「流浪の月」に登場する更紗と文。二人ともマイノリティー。二人とも掛けがえのない存在として描かれています。

 「誘拐事件」や「DV」など耐え難い事件が続く作品なのに、最後は、人間を信じようと思う暗闇に光を示す秀作です。

 とことん、現代の闇を描きつつ、「一人一人が自分らしく生きていける社会」こそが未来の希望であることを堂々と示した作品でした。

 私は、これまでにない読後感をこの作品から受けました。

 「ジェンダー平等」が叫ばれるこれからの時代に相応しい新しい文学の地平を開く作品だとも思いました。

 全ての新型コロナウイルス問題に関連付けてはいけないのかもしれませんが、混乱した今の時代だからこそ、この作品は未来に希望を示す作品だと思います。是非、多くの皆さんに、今、読んでいただきたい作品です。

 凪良ゆうさんの他の作品も読んでみたいと思いました。

 そして、今年の本屋大賞の2位以下の作品も読んでいきたいと思います。

 今、本屋大賞2020第二位の小川糸著「ライオンのおやつ」を読んでいます。

 皆さんが最近読まれた本でお勧めの作品をお教え下さい。

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