中山徹奈良女子大学教授の「人口減少時代の自治体政策 市民共同自治体への展望」を読んでいます。
中山教授は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」と東京一極集中の問題を次のように指摘しています。
「地方創生では『まち・ひと・しごと創生総合戦略』を2014年12月に策定しました。そこでは東京一極集中を解決するための目標が定められています。首都圏と地方圏の転出入を見ますと、年間で約10万人の転出超過です。これを解決するため以下の目標を定めました。ポイントは地方に若者の安定した雇用を作り出すことです。数値的には、2016年度に2万人、2017年度に4万人、2018年度度に6万人、2019年度に8万人、2020年度に10万人(中略)2020年度には、首都圏と地方圏の転出入の均衡を図るとしていました。(中略)地方創生が決定される前年(2013年)の首都圏への転入超過は9万6524人、地方創生が決定された2014年は11万6048人でした。そして翌2015年は12万7623人、実際に目標が動き出した2016年は12万5282にん、2017年は12万5530人です。首都圏への転入超過は2014年から2017年の3年間でむしろ1万人程度増えています。(中略)2020年に転入超過をゼロにするという目標はほぼ破綻したと言っていいでしょう。」
中山教授は、東京一極集中を解決するために次の提言を行っています。
「わすかな補助金を地方の自治体に渡し、創意工夫をして自己責任で地方に雇用を作れと言っても無理な話です。このような東京一極集中に対して、自治体が共同してそのような政策を撤回するように国に働きかけるべきです。そして国家戦略特区などの規制緩和をやめ、行政投資の重点を地方に振り替え、民間投資を地方に誘導し、地方を重点とした循環を作り出すべきです。そのような大きな循環形成を政府主導で進めつつ、各自治体が創意工夫して地域での経済循環を作り出すべきです。」
中山教授には、地方議員としての私にいつも多くの示唆をいただきます。
第二期山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略の最終案が示されました。中山先生の提言から学び、しっかり私も問題提起していきたいと思います。
第二期山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略最終案に対する皆さんのご意見を引き続きお聞かせ下さい。
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